(by JIN)NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 助かった命がなぜ」を観て

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(by JIN)
NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 助かった命がなぜ」を観て、色々と考えさせられました。 http://bit.ly/sgC5ir

被災者の中には、せっかく助かった命を絶ってしまうケースが出て来ています。それ自体は、残念ではありますが、あり得る事かと想像はできます。しかし、衝撃を受けたのは、その理由です。

私は、その原因は、多くの親しい人を亡くす等、悲惨な体験に遭遇する事で心の傷を負った人に自殺者が多かったのかと想像していました。しかし、実際には、必ずしもそうではなくて、深い心の傷を負う人に多くみられるのは、
・経済的な負担がのしかかっている事
・職場等の「場」を失った事
・大切なものを失った喪失感
であると言うのです。

津波に遭遇した地域では、人の存在基盤そのものを根こそぎ持っていかれてしまったのだという事を改めて感じました。

しかし、それと共に、私が脅威を覚えたのは、「経済的基盤」「職場」「大切なもの」は、被災地以外の地域であっても、失われるケースは存在するということです。もしかすると、毎年3万人以上もの人が自殺するという理由は、そうしたものの喪失にあるのかも知れません。

ここで考えなければならないのは、「経済的基盤」「職場」等が失われてしまっただけで、命を絶たなければならない程に追い込まれてしまう、社会の薄っぺらさです。

試みに、今、経済的に追い込まれているギリシャの自殺率を見てみると、統計対象国106カ国中、84位です。 http://bit.ly/sWphwJ ギリシャ人は、自分たちが経済的に追い込まれているのは、政府や外国の責任だとしてデモを繰り広げています。

ちなみに、日本は、5位です。経済的に追い込まれた日本人は、それを自分自身の責任として背負いこんでしまいます。かつては、人間関係を繋ぎ止めていた会社も、今は、社員をリストラによって突き放してしまいます。社会との紐帯を失った日本人の中から、命を絶つ人が出て来てしまうのだと思います。

今、日本では、社会と個人とをつなぐプラットフォームを再構築する事が求められています。それは、被災された方だけではなくて、日本全体の課題です。その点で、被災地におけるコミュニティづくりの新たな取り組みは、日本全国においても非常に参考になるものということが言えます。

NHKの番組では、被災地の方が集って、ミニ菜園を耕したり、食事をしたりする取り組みが行われている事が紹介されていました。実際に、被災地の心のケアを担当しておられる方の話では、経済的支援を通して信頼を深め、「喪失感」を共有していくことが大切ということでした。「喪失感」というのは、実は、極めて主観的なものであって、人それぞれです。たとえば、嫁入りの時に持参した「タンス」や、被災前に当たり前のように見えていた「風景」等、人それぞれです。そうした人それぞれの思いをコミュニケーションを通して共有化していくことが求められています。

おそらく、被災地以外の私たちが住んでいる日本のコミュニティにおいても、そうした取り組みが求められているのだと思います。そのことが、よりよい社会をつくっていくのだと思います。
(by JIN)

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