(by JIN)OTOSHA19「昭和15年戦争」Day4受講記録

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(by JIN)

5月31日に実施されたOTOSHA19「昭和15年戦争」Day4の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

5月は、「昭和15年戦争」をテーマとして、4回でセミナーを行いました。同月は、理想科学工業株式会社様のご厚意により、同社の会議室をお借りして実施しました。

Day4は、「昭和15年戦争 Point of No Return」の総括編です。

ポイントは、次の4点です。
■近代戦争は為政者の意図の下、国民の支持を得て行われる
■15年戦争には、3つの背景があった
■Point of No Returnは4つの時点があった
■戦争を阻止しえたのは、ロジックの力であった

以下、具体的に書きます。

■近代戦争は為政者の意図の下、国民の支持を得て行われる

近代戦争は、必ず、「自衛戦争」の名の下に、為政者の明確な意図の下、国民の支持を得て行われます。その際には、メディアを操作したプロパガンダが用いられます。

近代戦争は、経済的にも戦争遂行上も国民に大きな負担を与える総力戦として行われるため、国民の支持無しに実施するのが不可能なためです。

したがって、国民が、為政者の意図に明確に「ノー」を突き付ければ、近代戦争の遂行は不可能、ということこになります。

■15年戦争には、3つの背景があった

「15年戦争」は、1931年の満州事変から1945年の太平洋戦争終結までの戦争を指します。Day3で見たように、1920年代前半は大正デモクラシーの時代であり、民主主義が勢いを得ていました。それが、1930年代から軍部主導の全体主義国家へと変貌を遂げていきます。従って「15年戦争」へと突き進んでいくのは1930年前後の情勢が大きく影響しています。

1930年前後、全体主義へと日本を駆り立てていった背景には、次の3つの事象がありました。

・経済的困窮の進展

第一次大戦後潤っていた日本経済は、1929年の大恐慌のあおりを受けて、落ち込みました。農家を受け継ぐ資格を持たない次男坊・三男坊にとって、軍隊が有力な就職先として映るようになりました。

・統帥権問題の助長

明治憲法において、天皇は、立憲君主でありながら軍部に対して統帥権を持つという矛盾した地位にありました。その矛盾を衝いて、軍部は天皇を輔弼する立場から、統帥権を振りかざして政治の主導権を取るようになりました。

・英国からドイツへの同盟国の切り替え

狡猾な覇権主義国家である英国との同盟が1923年に期限を迎え更新されませんでした。その後、欧州で存在感を増し始めたナチスドイツが日本にとって魅力的に見え始めました。
■Point of No Returnは4つの時点があった

15年戦争は、諸外国民の侵略被害、300万人に及ぶ日本人犠牲者、広島・長崎の原爆投下、壊滅的な経済的打撃をもたらして終結しました。最終的なこの悲劇に至る前に、4つのPoint of No Returnの時期があったと考えられます。ただ、時代を下るに従って、引き返すのは、どんどん困難になっていきました。

・満州事変の事後処理(1931年)

もっとも可能性があったのは、この時点で、リットン調査団による勧告案を受け入れるという選択肢を取った事です。リットン調査団報告を当時の日本の世論は屈辱的なものとして受け取りました。しかし、冷静に見れば、当時の国際情勢から見て、日本が取り得る現実的な線を報告書は示していました。

・日中戦争の阻止(1939年)

満州事変は、中国にとっては、まだ、辺境の地での紛争に過ぎませんでした。しかし、万里の長城を超えての侵略に変化した日中戦争以降、中国の反撃も激しさを増しました。戦線の拡大を満州に留めていれば、もっと被害の少ない鉾の収め方があり得ました。また、その後の太平洋戦争への拡大も阻止できました。

・ハルノート受諾(1941年)

その後の戦争被害を考えれば、禁輸制裁等を受け入れてしまうという選択肢もあり得ました。

・太平洋戦争中(1941-45年)

ミッドウェイ海戦以降は、ほとんどすべて負け戦です。広島・長崎にまで至らない前にどこかで終結を成就することが為し得られて然るべきでした。

■戦争を阻止しえたのは、ロジックの力であった

近代戦争は、国民の合意無くして遂行できません。国民が当事者意識意を持って、自分たちの利害や国際平和をロジカルに考え、情報発信し、場合によっては抗議する事が自由に行われていれば、戦争は遂行し得ません。

今後、また、日本が戦争に突き進んでいかないようにするには、ロジカルに政策を吟味する国民の目が求められています。

(by JIN)

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