(by take) 皮ジャン

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(by take)僕には思い出深い皮ジャンが自宅に置いてある。

震災の後、生まれて初めて支援としてタダでもらった救援物資の皮ジャンだ。

配給があった時、両親は自営業の店舗が全壊で仕事も収入もなかったが、会社員の僕は仕事に出ていたので、避難所暮らしとはいえ収入がある身であった。

皮ジャンは救援物資で衣料品が届いた時、母が並んで見つけてくれたものだったが、もらった時かなり複雑な心境だった。もっと悲惨な状況の人もいる中、被災者ぶって収入もあるのに物をもらうことに抵抗があったのだ。
「乞食じゃないし、収入もあるよ!誰かにあげれば?」と言いたかったが一生懸命並んでもらった母の事を思うと、言いたい気持ちを押し殺した。

そして数日後凍てつく寒さの朝皮ジャンが着替えの服の横にあった。初めて人の服を着た。そして、朝5時に当時は家から15キロほど離れた開通したばかりの電車の駅まで自転車で走っている時、初めて皮ジャンの温かさを感じた。冷たい風から体を守ってくれるその服には、支援してくれた人の真心といくつになっても子を思ってくれる母の温かさがあった。

その時人の優しさについてしみじみ感じた。うれしくなった。

今はそのお返しを僕たちはする番が来たと感じている。

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