(by JIN) 民主主義は、なぜ流行っているのか?

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(by JIN)
ここ最近、「おとなの社会科」の活動にはまっていて、ブログはついついおろそかになっていました。
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「民主主義」について、私は、小学校の社会科の授業辺りから、「当たり前の原理」として学んできました。しかし、最近勉強をしていくうちに、民主主義は、決して人類社会の進歩の到達点などではなくて、あくまで時代のニーズに沿って出てきたイデオロギーの1つに過ぎないことが分かってきました。

今回のブログでは、その辺りのことについて、
■民主主義が流行している理由
■その理由から何が言えるのか?
を書いてみます。

■民主主義が流行している理由

今、世界的に民主主義が流行している理由については、次の3つが挙げられると考えます。
▼人権尊重を担保するため
▼国家を維持するため
▼人間の嫉妬心の感情にマッチするため

以下、3つの理由について、敷衍します。

▼人権尊重を担保するため

人権は、日本では憲法で保障された、国民に与えられた権利であり、「人が、ただ人であるというだけで当然に尊重される権利」を指します。

そして、国家権力は、王様など、特定の人間に集中すると、どうしても乱用が起こり、人権が侵害されがちな事態が生じて来たのは、歴史が教えるところです。そこで、国家権力=国民としてしまい、自分が自分を統治するようにしてしまえば、いわば自分で自分の頭を殴るようなことはあまり考えられないことから、人権侵害が行われなくなりがちであると言えます。このことから、民主主義(支配者と被支配者とが同一であるとの建前)が、人権尊重を担保するための必要条件として認められるようになりました。

・・・というのが、憲法学で学ぶ「民主主義」の意義です。

しかしながら、それでは、なぜ、人権は尊重されなければならないのでしょうか?

その理由については、憲法学は、実は何も答えてくれません。憲法学は、人権を尊重すべきとの原則は当然の前提とした上で、人権の具体的な中身を分析したり、人権尊重に資する統治制度について論究するのに過ぎない学問です。

そこで、1つの考え方としては、人道的・倫理的な理由が考えられます。つまり、どんな人間であっても、人間である以上は人として尊重しなければならないということは、人間の先験的な価値観に基づくものだとするのです。こうした考え方は、人間の自由の素晴らしさが発見されたルネッサンス時代に花開いたものとされます。

しかし、ルネッサンス以前の中世の世界では、王侯貴族に権力の正統性があったわけで、それがどうして国民に権力の正統性を譲ることになったのか・・・?その権力移譲のプロセスが、今1つ解明できません。

▼国家を維持するため

そこで、民主主義は、元々、王侯貴族が「国家を維持するため」に導入した原理であると説明できれば、中世から近代に向けて民主主義が取り入れられてきた経緯がスムーズにつながります。

中世の時代、初期のころ、王侯貴族間の戦争は、傭兵同士の刀中心の戦いでした。

しかし、中世の後期、鉄砲が戦争の主役に躍り出てきました。そうすると、莫大なお金がかかるようになり、国民に税金を賦課しなければ戦費を賄えない状況になってきました。国民から徴税することで、逆に、国民からは、王に対して、一定の権利を要求するようになっていきました。

そして、ナポレオンがそれまでの戦争のあり方を一変させます。つまり、ナポレオンは、一般の国民から徴兵して軍隊をつくったのですが、その軍隊が傭兵主体の軍隊を次々に破っていきました。そのため、他国もナポレオン軍に対抗する必要上、徴兵制を敷いていったのです。

こうして、国民は、重い税を負担させられると共に、兵役も課せられるようになりました。こうした国民に与えられるようになった義務に対する対価として国民に与えられたのが、人権であり、民主主義であったのです。

このように、民主主義は、「国家の維持のため」に要請された制度でもありました。

▼人間の嫉妬心の感情にマッチするため

民主主義が広まってきたもう1つの理由として考えられるのが、人間の嫉妬心です。つまり、人間は、特定の誰かが権力を握っているのを見ると、どうしても嫉妬してしまう習性があります。そこで、「特定の誰か」ではなくて、「自分も含めた全員」が権力を握っていると考えさせる(民主主義)ことによって、嫉妬心を抑え込もうとするものです。

■その理由から何が言えるのか?

上記の民主主義流行の理由は、実証的な裏付けがある訳ではなく、あくまでも1つの仮説に過ぎません。

しかし、民主主義をただ「正しいもの」として盲目に信じていた私にとっては新たな発見でした。

かと言って、民主主義にかわる何か理想的なイデオロギーを思い付いている訳でもありません。

しかし、教条的に民主主義の正しさをただ述べ立てる向きに対しては、民主主義も1つのイデオロギーに過ぎないことを盾に、冷静に対応できるのではないかと思います。
(by JIN)

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