2010年4月アーカイブ

(by paco)温暖化対策に暗雲が広がっている印象があります。「クライミットゲート」と呼ばれる疑惑が出て、温暖化の「証拠」とされている気温のデータがねつ造されていたとか、いわゆる「温暖化懐疑論者」からの反論がいろいろ出ている状況です。

では本当に温暖化は「ない」のか、というような話はまた改めるとして、今日は温暖化対策の切り札と言われてきた風力発電の話。こちらも、いろいろ反論というか、ネガティブな情報が出てきています。

たとえばこちら

で、上記の本にあるようなことは、「本当なのか」ということですが、「本当なのか」と言うより、「問題なのか」という点です。

確かに、ここあるようなことは「ウソ」ではないと思います。ただ、「問題」なのか、「問題と言えるのはなぜか」という観点から考えると、背景が見えて来ます。

上記の本に繰り返し書かれていることの中で、以下のことは、「風車の問題」ではなく、「風車を設置する問題」です。

「地権者の同意がない」「アセスメントがいい加減」「騒音データをごまかす」「現金ばらまき」「自然公園内につくった」などは、すべてつくるまでのプロセスが民主的な合意に基づいていないことによって起きています。この問題は、従来からの日本の「公共事業」にはずっとついて回ってきたことで、それが風車でも起きてしまったということ。もちろん、プロセスを変えるべきなのですが、現状の問題も風車固有ではなく、まして原発などではもっとずっと問題の多いプロセスで進められているので、問題にすべきことが違う、というべきです。

(by環の花)
今日は、いい天気で過ごしやすかったが、明日はまた雨らしい。

今日ブロッコリー定植したのでいいのだが・・・。

そんな中、始まりました。石釜製作。まだ遺跡みたいだが徐々にそれらしくなる予定。

素材が廃品なので作り方も本のようにはなかなかいかず、結構その場の臨機応変型製作でやっている。

父親にも手伝ってもらいなんとかここまできた。

ここからが、いよいよ釜らしくなっていくのだが、どうなるかは手探り製作の為わからない。

そろそろこんなことをしている場合ではない時期だが、なんとかいい感じに仕上げ、秋にはこれでピザ&ナンカレーパーティーをしたい。

(by paco) 毎月1回、環境リレーションズ研究所で、環境勉強会・AIRミーティング「エコエグゼクティブ講座」を開いています。毎回、5-10名ぐらいの参加で、せまい環境リレーションズ研究所の会議室はけっこういっぱいという盛況です。

名前はちょっと厳ついですが、参加のメンバーはごく普通の会社員だったり、公務員だったり、大学生だったりという人たちなので、特に専門知識はいりません。いっしょにディスカッションしながら、環境面でものごとを動かしていくための考え方を学んでいます。

「考える」というのが中心なのですが、pacoさん主宰なので、当然、ロジカルシンキングを使っていきます。ロジックツリーでイシューを分解して、問題や解決策の全体像をつかんだり、因果の図を使って関係をつかみ、解決のプロセスや解決を困難にしているボトルネックを探していきます。

環境問題の解決には、多くのステークホルダが関わる必要があり、それぞれ利害が交錯しますから、その利害のコンフリクトをどのような考え方で克服するのか、また法律などで縛る場合の合理性や不公平をどうやって確保するかなど、具体的な考え方を探しだし、解決の仕組み作りをめざしていきます。

(by paco)Salyuのライブに、今年も行った!

(by paco)先週、水曜日。Salyuのライブに行ってきました。昨年と同じ、神奈川県民ホール。Salyuは横浜出身なので、神奈川での公演は必ずやるのだ。

Salyuのライブは、2007年、2009年に続いて3回目なんだけど、いつも書いているけれど、本当にうまい。どうしてこんなに歌がうまいんだろう。日本で、世界で見ても、Salyuのようなアーティストはたぶんほかにいない、孤高の音楽であり、クォリティです。

今回は、今年発表したアルバム「Maiden Voyage」を核にしたライブですが、諸条項会というタイトルを、なぜデビュー10年になるSalyuがこのタイミングにつけたのか、という話を、Salyu自身がライブでしていました。

彼女は、当初からシンガーであり、作詞作曲など楽曲に関わることは基本的にやってきませんでした。もともと、小林武史が発掘した逸材として、ていねいに売り出されてきた彼女だし、1曲ずつ、きちんと世に出していく、という形だったので、アルバムも必ずしも多くないし、これという大ヒットもありません。それでも、次第にファンを増やし、今ではほとんどのホールをソールドアウトする実力です。「bank band」として、桜井和寿@ミスチル、小林武史、Salyuで歌った「to U」が人気を高めるきっかけになったのは間違いないでしょう。

(by paco)「貧困化するホワイトカラー」という本を読みまして、その書評です。

本書を読んでいくと、ホワイトカラーに対する搾取が激しくなっていると主張していて、その主な理由として、「第4章 雇用差別に屈しない」では女性差別の問題、「第5章 阻止されたホワイトカラー・エグゼンプション」では不払い労働について説明し、ここがこの本の核心部分になっています。

第4章では、女性差別が今も歴然とあり、女性が「安く」使われているなら、女性の社会進出が進むにつれて、労働者の平均が搾取の傾向になる、というロジックは、説得力があります。もちろん搾取どころか、男性以上に稼いでいる女性は少なくないものの、平均値を見れば、この話は納得感がある。

また、過労死に追い込まれた人たちと、その遺族の戦いのレポートは、リアリティがあり、とても参考になります。

しかし第5章の説明は、現実の「半分」しか説明できていないと感じます。

著者は、男女同一賃金にせよ、不払い残業にせよ、ホワイトカラーの仕事を労働時間で管理できる、労働時間と成果が比例する、という考え方にたっています。また、ほぼ同じ能力の社員なら、同じ時間で同じ成果が上げられるという前提に立っているわけです。

実際、本書では

(by paco)<おとなの社会科>をやっていることもあり、社会問題について質問を受けることが多くなりました。

特によく聞かれるのが、普天間問題で、僕としては意外なほどの関心だなあと感じるのですが、「基地」の問題としてではなく、「日米関係は大丈夫なの?」という意味なのでしょう。

と思っていたら、こんなニュースが出ました。

▼首相「最大の敗者」との米紙報道「非礼だ」 官房長官が不快感
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http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100415/plc1004152137013-n1.htm

首相「最大の敗者」との米紙報道「非礼だ」 官房長官が不快感
このニュースのトピックス:鳩山内閣
 平野博文官房長官は15日の記者会見で、14日付の米紙ワシントン・ポストが鳩山由紀夫首相について、47カ国の首相・閣僚が出席した核安全保障サミットにおける「最大の敗者」と報じたことに、「一国の首相に対し、いささか非礼だ」と不快感を示した。

 記事では、鳩山首相を「不運で愚かな日本の首相」「お金持ちの息子」などと紹介した上で、オバマ大統領とは非公式な会談しかできなかったと指摘。平野氏は「たとえ10分であろうが、有意義な機会だった」と反論した。
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(by paco)問題解決力をキーにしたリーダー育成の研修コースが開講し、僕が2コマ持ちます。かんき出版の主宰です。ミニミニなMBAという感じのコースになるので、少したっぷり学んでみたい方とか、学ばせてみたい人材育成担当者の方は、ぜひご覧ください。

趣旨としては、こんな感じで、
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◆ 本コースの創立主意
職場で価値を創造する問題解決の実行力を高め、 リーダーとしての自己鍛錬を習慣化させる。

◆本コースの特徴
必要な「心」「技」「体」をバランス良く、 経験豊富でユニークな講師陣が師範として、 膝と膝を突き合わせて、実践的に鍛えあげていきます。
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詳細はこちら

(by paco)10月7日(木)に、問題解決の公開研修(1日)を行います。

6月17日(木)にも同じ内容の研修を行いますが、その第2回という感じです。同一内容なので、どちらかに出席すればokです。

会場、主宰ともに、かんき出版で、麹町駅前です。
通常は企業研修として行っている、僕のオリジナルの問題解決研修を、今回は公開研修ということで、1名様から参加いただけます。また、企業単位で社員を派遣したいという場合は、かんき出版の教育事業部からのご案内もできますので、ご相談ください。

内容は、ロジックツリーと因果関係を使った問題解決の標準プロセスを学ぶ、というもので、問題と行っても、やや小さな、現実的な問題をきちんと解決するための方法論です。グロービスのクリティカルシンキングとの比較でいえば、後半の内容とほぼ同じになりますが、到達レベルはグロービスよりやや平易なレベルになります(何せグロービスでは、最終日の「ピープルエクスプレス」=ハーバードビジネススクールのケースですから、そこまでのレベルに1日で到達するのは無理です)。

対象者は、若手からマネジャークラスまで、ビジネスパースン全般。ケースを使って、わかりやすい演習による研修です。

詳しくはこちらをご覧の上、申し込んでください。

(by paco)火曜日、4月13日(2010年)に、エコエグゼクティブ講座を開きました。テーマは、「コウノトリを復活させる意味」。

兵庫県北部、日本海に面した豊岡市は、コウノトリの里として次第に有名になりつつあるので、聞いたことがある人もいるかと思います。豊岡は、昭和30年代に日本国内のコウノトリが絶滅するまで、日本で最後までコウノトリがいた場所です。絶滅後はソ連などからコウノトリを譲り受けて、人工繁殖を試み、増やす努力をしてきたのですが、人工繁殖自体が困難で、最初の雛が誕生するまで、20年以上かかりました。

その後、じょじょに数を増やすことに成功し、100羽を超えた2005年、コウノトリを自然に放す放鳥がはじめて行われ、40年ぶりに日本の空にコウノトリが戻りました。

その後、コウノトリはどうなったのか?

そのまえに、コウノトリというのはどんな鳥か、ちょっとお話ししておきます。この鳥は大型の水取りで、ツルにも似て長い脚で水の中を歩き、ドジョウや蛙などの水生生物をエサにします。渡り鳥で、夏、シベリアで繁殖し、冬は日本で越冬しますが、留鳥(りゅうちょう=日本に留まる個体)もいたようです。同じような種類としてはトキやサギがあり、トキは佐渡で復活に取り組んでいるのが知られています。

で、2005年、放鳥されたコウノトリはどうなったのか。

(by paco)<おとなの社会科>06「中国を読み解く視点」のdayを、先週4月7日にかんき出版セミナールームで行いました。

今回は中国ということで、「地理モノ」なのですが、実際には歴史も含まれていて、day1では現在の中華人民共和国がどのようにして生まれたのかを話しました。

上海や香港の様子をメディアなどで見ると、中国が共産党一党独裁の社会主義国であることを忘れてしまいそうです。さらに、社会主義政権自体が、ソ連の崩壊以降、世界でもごくわずかになり(北朝鮮とキューバぐらい?)、そもそも社会主義って何だっけ?というか、歴史の教科書にしか出ていないことのようなものとして理解している人も多いのではないでしょうか。

では社会主義(共産主義)の発祥はいつ、どのように?と考えてみると、説明できる人はさらに少ないかも。

ということで、今回の<おとなの社会科>では、社会主義が世界に登場した19世紀後半のヨーロッパ、その最初のグループである「第一インターナショナル」から話を始めました。

社会主義とは何かを理解してもらい、その後、社会主義が、その理念とは別に、「労働者が団結してつくる社会」から、独裁的な強権政治へを変貌していくようすを説明し、さらにそれが、新しい「特色ある社会主義」に変貌して、中国に経済発展をもたらす流れをみました。

(by JIN)
去る3月26日、義弟の田村友宏のボクシングの試合を観戦してきました。前試合でで4勝となったため、これまでの4ラウンド制・4回戦ボーイから、初の6ラウンド制・6回戦ボーイとしての試合でした。結果は、残念ながら、僅差での判定負けでした。ただ、今回も学ぶことが多い試合でしたので、ここに感想を書きます。

(by paco)宮崎学さんの「もの書きの立場からすると、多くの人が声を上げるべき問題だと思う」というコメントに触発されて、書くことにします。

何かというと、福岡県警の要請で同県内のコンビニエンスストアが暴力団を専門的に扱う月刊誌とコミック誌の販売を中止したことについて。

このニュース、ちらっと見て気になっていたのですが、スルーしてました。<おとなの社会科>的にはこういうのをスルーしちゃいけません。

表現の自由は憲法に保障された非常に重要な権利です。この権利によって、主権者たる国民は、権力の横暴をチェックし、社会が望まない方向に生きそうになることを、修正することができます。表現の自由と同時に、知る権利もセットですね。

で、日本においては、表現の自由を直接的に法律や政令で規制することはできないので、権力がよく利用するのが「自主規制」に仕向けること。今回の警察のやり方は、まさにこれを利用したもので、日本人の「空気を読む(読み過ぎる)」「和を乱さない」のキャラクターを<悪用>しようというものです。

とはいえ、暴力表現や性の表現などが無制限でいいと言い切ることはできないわけで、では制限をどうすればいいかというと、社会学の知見によれば(宮台真司なども言っているように)、「不意打ちをくらわらない権利」を確保しようというやり方が、筋のいいやり方です。表現の自由があるからと言って、見たくない表現に、予期せず出会わせる(強制的に見せる)権利まではありません。とすると、アクセスしたい人だけ、アクセスするようにしよう、ということになります。