(by paco)【pacoの目×ecoの芽】022エコエグ講座「炭素税はどのように社会を変えるのか?」

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(by paco)ちょっと前になりますが、2010年2月16日(火) にエコエグ講座「「炭素税はどのように社会を変えるのか?」を行いました。

炭素税とか、環境税とかいわれる税について、今、民主党政権が検討中です。政権が掲げる25%削減に向けて、税という手法が不可欠と考えられているからですが、なぜ、税なのか。

という話に入る前に、そもそも「税」とはなんなのか、ということを考えました。

税は、日本国憲法に規定されている義務で、憲法で勤労と納税、そして子供に教育を受けさせることの3つを義務として規定しています。その中で税金とは、公共のことをするための資金を広く国民から集めるというしくみで、税という手法をとることで、公共のための資金を「公平に」負担することをめざしています。

では、公平とは何かということになるわけですが、貧乏人からたくさん税を取れば、さらに貧乏になってしまいますから、基本的にはお金のある人は多めに負担し、少ない人は少なめに負担する、特定の人がうまくやって払わずに済ますことがないように、取り方に工夫する、など、税の負担方法を工夫することで、負担を公平にしています。

一方、税によって、困窮している人を助けて、生活が維持できる援助をするとか、みなが経済活動などをしやすくするためのインフラ整備をする、といった方法で、国全体がうまく生活できるようにしているわけです。

日本人は、税を「取られる」という言い方をして、なるべく税は払わない方がいいと思うわけですが、税の本来の考え方を知ると、税を払えるというのは幸せなことだということがわかります。も市税を払えない状況になれば、それは周囲の人から助けてもらわないと生活ができないということです。税を払う、特にたくさん税を払うということは、それだけ社会に貢献できる立場であるということですから、よろこぶべきことなのです。もちろん、必要以上の税を払うのは誰だってイヤだし、その払った税を、もし誰かが自分の私服のために使っていたら、超むっとするわけですが。

では、温暖化防止のために、なぜ税という方法を使うのかといえば、税がもっとも公平な負担ができる手法だからです。

今は温暖化防止の行動を、善意の、意欲のある人の行動に任されているわけで、何もやらない、よくないことをし続ける人がいても、なすすべがありません。税なら、負担すべき人に確実に負担させることができ、環境についての「フリーライダー」を出さないようにすることができます。税金という方法は、個人的にはとってほしくない方法だと思うのが普通だと思いますが、ではそれに代わる方法の方がいいかというと、自分が努力したのに、ほかの誰かが何もしないことによって効果が出ないとしたら、それもむっとしますよね。社会全体の取り組みに広げ、効果を上げるためには、税や、規制によってルール化するという方法は、避けて通れないものなのです。

具体的に環境税をどのように設計するかという議論は、いくつかの考え方がありますが、今主流なのは「税制中立」「バッズ課税グッズ減税」という原則です。

税制中立とは、炭素税によって税収全体は増やさないという考え方で、バッズとはBads、グッズとはGoods、つまり環境に悪いことに課税し、よいことには減税することで、よいものを促進し、悪いものを排除していこうという方法です。炭素税は、その税によって、たとえば社会福祉や軍備に当てようというものではなく、環境によい社会に変えるために、税のしくみを使うことが目的ですから、税収を増やす必要はありません。Badsに課税することで、税を取られたくない人がBadsを買わないように誘導し、その税収でGodsに対する減税や助成をすることで、よいものを増やす。これによって、公平に負担しながら、社会を変えるのが炭素税の目的です。

もうひとつの観点は、社会の弱者を、炭素税によって余計に追い込まないようにするという点で、たとえばガソリンに一律に追加課税してしまうと、地方で働く低所得者を直撃する可能性があります。大都市ならクルマは贅沢品かもしれませんが、地方ではクルマなしには生活が成り立ちません。このような場合は、対象となる人に税を還付するなどして、炭素税によって弱者が追い込まれないようなしくみにしないと不公平になります。

今、民主党政権で、炭素税の議論も進んでいるところですが、こういった原則をもとに、実際にどのような課税を行い、どのような減税や助成をするのか、その際的な設計ができたときに、炭素税によって社会を変えることができるでしょう。

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