(by paco)【pacoの目×ecoの芽】021 温暖化懐疑論の巻き返しと今後

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(by paco)今年に入って、いわゆる「地球温暖化懐疑論」が力を持ってきていて、声高に懐疑論を語るブログも増えて来ました。すごい揺り戻しですね。

実際の地球環境がどうなるかはいったんおいて、なぜ今懐疑論が幅をきかせているのか、考えてみます。

◆まず1つめとして、COP15の成果が上がらなかったこと。昨年12月にコペンハーゲンで開かれた「気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)」で、京都議定書に続く新しい合意がつくれなかったことで、「やっぱり温暖化防止を全人類的に進めることは無理なんだ」という失望感が広がりました。

現実的なことをいえば、京都議定書の約束期間に入り(2012年までの4年間)、削減義務をもっている日本や欧州などの削減の足並みが揃っておらず、途上国も含めたわく組をつくるリーダーシップがとれないことがひとつの理由であり、もうひとつはリーマンショックから始まった景気後退が終わっておらず、経済の立て直しが先という雰囲気が支配的というのもあります。

いずれにせよ、COP15の成果に失望したことが、懐疑論者を勢いづかせていることは間違いないでしょう。

◆ふたつ目は、COP15との関係もあると思いますが、「クライメートゲート」と呼ばれる温暖化研究の科学者による、「データねつ造疑惑」が表に出たこと。欧州の気温観測データのうち、温暖化を示していないデータを意図的に採用せずに、温暖化したように見せかけた研究を出していたというもので、疑惑の真偽以上に、こういう「脇の甘さ」が会議論者には追い風になります。

◆3つ目は景気後退によって、石油需要が減退し、CO2発生量の伸びもゆるくなっているし、資源争奪も落ち着き、当然石油価格も比較的落ち着いているので、「このままならいいんじゃない?」というようなその場しのぎの雰囲気が漂っている、ということです。確かにエネルギー消費が増えないのはいいことですが、この間に対策が進まないことが、次の景気拡大局面であだになるのではないかと思います。

◆4つ目はこの冬、比較的寒冷で、温暖化を実感しないという点です。COP15が厳寒の中で行われたことは、「なんで温暖化対策を、冷え込んだ中で行うの?」という疑問を感じさせたわけですが、そもそも温暖化とは、長期的なトレンドなので、1シーズン、一地域を見て、温暖化に付いて毎年懐疑したり、慌てたりするようなものではないはず。それでも、暖冬なら温暖化の危機を感じるのは事実で、やはり今懐疑論者が「元気」なり有のひとつでしょう。


というように、4つぐらいの理由が考えられそうですが、ようやくビジネス界が温暖化対策がマーケティング面からも金になる、という認識が出てきたこのタイミングに、懐疑論者が図に乗るのは、なんともやるせないものがあります。

では実際にどうなのか、温暖化はしていないのか、CO2はワルモノではないのかについては、現段階では、認識を変えるほど新しいデータが出たわけではなく、仮説は有効、というべきです。もちろん、あくまで仮説ですから、否定される可能性もありますが、今対策が求められているのは、あくまで「予防原則」ですから、インフルエンザワクチンと同じで、結果的に身近に感染する人がなく、危機感を感じずにシーズンが終わったとしても、ワクチンを接種して損したと考える人はまずいないでしょう。インフルエンザにならなくてよかったと思って、納得するのが予防です。

では、その予防接種が、5000円ではなく、50万円、100万円だったらどうなのか。それでも、感染したときの被害がその額を上回る可能性が高いなら(インフルエンザの回復に1年かかり、年収をまるまる失うとか)、やはり予防接種を検討するでしょう。実際に接種するかどうかは、キャッシュがあるかどうかによるでしょうが。

とはいえ、このまま懐疑論者の声がどんどん大きくなるかどうかは、なんとも言えません。今年の夏、かなり暑くなったりすれば、状況はまだ一気に変わります。

でも、そんな人間界のやりとりとは無関係に、自然破壊は続いていて、温暖化だけでなく、生物種の絶滅速度など、自然の崩壊が続くのは間違いないでしょう。環境問題が憂うべきものだということには、まったく変わらないのです。

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