(by take)暗澹たるフィリピン大統領選

| コメント(0) | トラックバック(0)

(by take)すみません。公私共々色々なことがあり、翻弄されておりました。(笑)のんびりペースで又、記事を書いていきます。

2010年まであと僅かですね。早いものでもう年の瀬です。日本は今年の流行語大賞が「政権交代」だと聞きました。長年の自民党政権に国民が審判を下したチェンジの年だと言えそうですね。

フィリピンは来年5月に大統領選挙があります。日本の様に民意を反映した選挙となるのでしょうか?僕が感じる予想は殆ど絶望だと思っています。今回はフィリピンの選挙の歴史と現状を書いてみます。

それはマルコス大統領の時代から顕著になりました。
「マルコス」の名前は日本の人でも聞いたことが有ると思います。フィリピンの第10代大統領で婦人はこれも有名な「イメルダ」です。彼はフィリピン経済を伝統的に支配した華僑など既存の特権階級が持つ権益は没収して、貧しい人たちと特権を与える政策を取ったとの事ですが、実際にはマルコスの一族と取り巻きに特権が引き継がれたに過ぎませんでした。そして20年に渡って大統領として権力を保持し続けました。しかし1986年の大統領選挙で、「コラソン・アキノ」婦人と争った結果、あからさまな開票操作がフィリピン内外の批判を浴び、反マルコス勢力のラモス参謀長(後の第12代大統領)などが中心となり決起しました。それをフィリピン国民が支持してデモを行い、最終的には国内に「イメルダ」の3000足の靴と6000着のドレス、宝石など装飾品の数々と800億円の不正蓄財を残してアメリカのヘリコプターでハワイに亡命したのです。(エドサ革命)

そして13代大統領のエストラーダは俳優出身でした。貧しい地域からの出身で、映画では常にはびこる悪に敢然と立ち向かう勇士を演じて、そのイメージを最大限に生かして庶民の共感を得ながら支持を伸ばしていったのです。
しかし彼もたった3年の任期の間に、違法賭博収益金を含めて約7億3千万ペソの不正蓄財を行ったと糾弾を受けて退陣しました。裁判で終身刑の有罪を受けたのですが、恩赦で現在は出所しています。

エストラーダを糾弾して大統領に当選したのが現大統領のアロヨです。ちなみに大統領の1ヶ月の給料は僅か5万7千ペソです。これはセブの経済特区で日本人管理職クラスの受け取る給与水準です。実際にアヨロが就任して8年間で得た固定給550万ペソに手当が付いて約1千万ペソが収入とされています。ところが大統領就任時から現在までの間に増えた資産を計算すると、公表されているものだけで1億726万ペソ増で全く計算が合いません。野党は大統領が持つ特権「訴追免除特権」が切れると同時に不正蓄財で起訴を狙っているのですが、先日アヨロは権力にしがみつく為に次回選挙で下院に立候補しました。当選すれば何らかの特権がつくのでしょう。

どうですか?日本の常識からは考えられないような大統領が次々にその地位を利用していることが手に取るように見えてきます。大統領の給与が企業の日本人管理職と同じなら、それは妥当な給与水準ではなく、「収入のことを考えるなら、先代に学びなさい」と言っているようなものだと思います。又、歴代大統領は忠実にそれを実行しているのが、本当に情けないですね。

そして先日締め切られた来年の大統領選挙に立候補した議員は、コラソン・アキノ前大統領が今年の8月にガンで亡くなった際に、エドサ革命の再来を期待されて立候補を決心した長男のベニグノ・アキノ議員、汚職で有罪になっただけでなく、「大統領は再選出来ない」という法律を、現役大統領のみだと主張し議会を力でねじ伏せて立候補を取り付けたエストラーダ元大統領、貧困層からの出身、不動産業で財を得たビリヤール上院議員の3名が野党から、アロヨの所属する与党からは、テオドロ長官が届け出を提出しました。この4人が有力視されています。

朝日新聞の12月2日の記事によれば各候補の支持率は1位アキノ氏(44%)2位ビリヤール氏(19%)3位エストラーダ氏(11%)、4位テオドロ氏(2%)です。残りの24%はなんと95人の有力でない候補の支持率です。合計99人が立候補する大統領選挙、今後選挙管理委員会が資格審査をして立候補資格があるかチェックするそうです。

唯一クリーンなイメージで各候補よりリードでしいるベニグノ・アキノ議員ですら、政治の世界では特筆する実績が今までなく、大統領としての資質が十分なものなのかどうか分かりません。

僕は市民権がないのでもちろん選挙に行けませんが、ちなみにフィリピンの選挙は選挙資格を持つ有権者が、選挙の度に市役所で登録して選挙権を受け取る「届け出制」です。期日までに届け出をしなければ、その選挙の選挙資格はありません。恐らく、色々な届け出で書類不備が多いフィリピンの戸籍システムでは、有権者からの申請がないと整合性がとれないからだと思います。嫁のロナリンも8時間近く並んで登録を済ませました。

多くの人が、そんな長時間並んでも登録するのは、もちろん政治を変えたいという気持ちもあると思いますが、選挙の時に動く利権を得たいとの気持ちもあるように感じてなりません。

大きな金と欲望が渦巻く選挙。毎回多くの人が選挙の利権や対立で命を落とします。今年は先日ミンダナオで大統領選と同時に行われる知事選の候補者が、対立している現知事の一族が関与していると言われている武装集団に拉致され、報道陣や候補者の親族を含めた57人が一度に殺されました。今、こちらのテレビは毎日このニュースの続報が流れています。

暗澹たる選挙、国民の一部は「誰が大統領になっても良くならない」と冷めた意見もある選挙。政治のあり方を考える機会になりそうです。(by take)

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://w0.chieichiba.net/mt/mt-tb.cgi/873

コメントする