(by paco)J-POPの可能性を感じさせる、のあのわのライブ

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(by paco)先週金曜日、のあのわのライブに行ってきました。のわのあ……という名前のバンドです。「のあのあ」でもなく、「のわのあ」でもなく、「のあのわ」です。覚えてやって下さい。今年デビューの若いバンドで、今回初のワンマンツアー。

バンドの構成は、5ピースで、ドラムス、ベース、ギター、キーボードの男子メンバーと、ボーカル&チェロのひとり女子、Yukkoという構成。このバンドの特徴は、なんといってもボーカルのYukkoがチェロを弾くこと。重厚なチェロがイントロや感想のソロを取るので、それがバンドの特徴としてよく言われるのですが……。

今回、はじめてのあのわのライブに行き、このバンドの特徴は実はチェロではなく、バックを支える男子4ピースにあるのだということに気がつきました。

音づくりの特徴は、非常にトリッキーなリズムをたたき出すドラムスの本間シュンタと、非常に正確なビートを刻むベースのナカメのきっちり楽曲の特徴をつくっていること。そこに、ギターのゴウとキーボードのにゃんちゃんことリクがコードをからめるのですが、ギターとキーボードがコードを交代しつつ、コードを取っていない方がリード的なメロディを弾くと思いきや、不思議なビートでループの繰り返しを多用する音づくりをしている点が独特です。その結果、4人の楽器が比較的単調なのに特徴的なループを回すような通奏音をつくって行きます。そこに、Yukkoのチェロのソロと、透明感とハリのあるボーカルが乗るので、高い緊張感が生まれる。

ライブでは淡々と弾いていますが、特に楽器4人が信じられないぐらい練習を重ねて音を合わせていることは、しばらく聞いていると疑いの余地なく理解できるようになってきます。このしっかりしたバンドがあるから、Yukkoのボーカルとチェロが生きるのですね。

楽曲も特徴的な曲が多く、三拍子や8分の6拍子を多用したりするバンドも珍しい。さらに、2拍子を中心に変拍子がからむ複雑な楽曲もありつつ、メロディはシンプルで美しく、POP。

で、そんな楽曲をバック歌うYukkoがまたかわいいのだった(^-^)。コツはこれが一番の魅力だったりはするのだけれど、のあのわをYukkoのバンドのように理解するのは正当じゃないなと思うので、こうしてバンドの音づくりについて語ったわけです。

YukkoはJ-waveの火曜深夜2時から番組を持っていて、よく聞いているのだけれど、そこでわかることは、このバンドメンバーから音楽を取ったら、ほかの道でもやっていけるのはリーダーでベースのナカメちゃんぐらいだろうなということ。音楽だけは彼らの中で突出した才能で、その才能が偶然出会い、スパークしたのがこのバンドなのでしょう。

逆に、練習の極みの中で生まれる楽曲であるだけに、おそらく完成度を上げるために必要な集中力は並大抵ではなく、それだけバンドとしてははかなく、短命に終わるかもしれない、ということ。Yukkoはボーカルとしてやっていけるかもしれないけれど、ほかのメンバーはどうなんだろう。

そんなはかなさを感じさせつつも、今、いちばん旬で輝いているこのバンドの音を、またぜひ聞きたいと思わせるに十分なライブでした。

音楽って本当にすばらしい!

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