(by paco)【pacoの目×ecoの芽】017 行政刷新会議が「もんじゅ」を認めるとは……怒

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(by paco)行政差新会議ネタです。ご存知の方もいると思いますが、刷新会議の仕分け人として、第三ワーキンググループに参画していて、名簿では本名(渡辺和幸)で載っているので、確認してみてください。

先週の火曜日、行政刷新会議の前半戦最終日の討議が行われました。僕はたいへん残念ながら、研修で出席できず。その日に、高速増殖実証炉「もんじゅ」の仕分けが行われました。

結果は、「縮減」(予算削減)になったものの、「廃止」にはならず。この結果は、たいへん残念です。スーパーコンピュータの開発が廃止(見直し)になったのだから、これは当然同じ扱いだと信じていました。

もんじゅは、1995年に大事故を起こして停止、その後、改修が行われて、再開直前のタイミングです。なぜもんじゅは廃炉すべきか、簡単に説明します。

(1)世界中で、高速増殖炉の開発は放棄されています。あまりの困難のため、開発断念が続いていて、現在、開発が動いているのは実質的に日本だけです。ロシア、中国、インドなどで計画はあるものの、先進地域の欧州、米国ではすでに計画は放棄されていて、ロシアなどは計画中、開発中であっても、はるかに小さな実験レベルのものばかりです。いまさら日本が開発を続けるということについて、「時代感覚なし」の評価もあります(日本がやるなら、可能性があるのではないか、という見方もありますが)。

(2)技術的に難易度が高すぎる。最大の困難は、金属ナトリウムを冷却剤に使う点で、もんじゅの95年の事故も高温金属ナトリウムの配管が破損、大爆発を起こしたものでした。見るからに脆弱なつくりで、平時でさえ事故リスクと背中合わせなのに、大地震が起きれば収拾が付かないことになる可能性が高いのです。ちなみに金属ナトリウムとは、食塩にも含まれるナトリウムを単体で使用するというもので、強アルカリのため、参加されやすく、空気中の酸素や水と反応して、爆発的に燃えます。この様は中学校や高校で教室で実験したことを覚えている人もいるかもしれません。金属ナトリウムは常温ではヨウカンのように柔らかい固体ですが、高速増殖炉では480度で液体の状態で運転します。配管のちょっとした破損でも、水や空気と反応して大爆発をお越し、炉内は惨状と化します。95年の事故後、結局修理されてしまったのですが、多くの関係者はこの時点では色を主張していました。

(3)核燃料サイクルがすでに崩壊している。核燃料からプルトニウムを取り出し(核燃料再処理)、高速増殖炉で燃やせば、燃やした分以上の燃料が得られる、という理屈だったのですが、核燃料再処理自体が事故が多く、欧米では撤退状態、日本ではまだ工場が稼働していない。高速増殖炉で燃やしても、理論と違って実際には燃料は増えない、ということなどがわかってきていて、サイクル自体が無意味になっています。

しかも、開発には1000億円を軽く超える高額の開発費が国税でまかなわれようとしています。こんな額をかけていいものなのか。仕分け人はきっちり見極めるべきでした。

スパコンを止めた会議体がなぜもんじゅを止められなかったのか。その場に立ち会わなかったので、詳細はよくわかりません。

ひとつ感じるのは、仕分け作業が進むにつれて、次第に集中力が途切れ、「廃止」「全学認めて続行」という白黒つけようというマインドが薄れ、全体が「予算削減」、割合は人によって異なるけど、あとは民主党の議員で考えてね、というグレイな結論が主流になりつつあるのではないか、という点です。

こういう結論になりがちな理由のひとつが、議決が「仕分け書」に出席者全員が記載して、多数決による、という方式で、仕分け書の結論が白、グレイ、黒となっているだけに、グレイに答えが集まりがちというのは通常の議論と同じなのです。特に仕分け作業が続くと、落としどころが何となく見えてしまうこともあり、こういった結論に向かいがちな理由もわかります。

ではどうすれば? 本来は事務局の法で問題に対応するような議論のしかた、仕分けシートの書き方などを工夫すればいいのでしょうが、すでに動いてしまっている会議を途中で変えるのは難しい(仕分けずみの案件と比べて不公平になる)。なかなか難しい局面になりそうです。

今週から、後半の議論が始まります。僕が参加できるのは1.5日程度になりそうですが、改め敵を引き締めて議論に臨みたいと思います。

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