(by paco)【pacoの目×ecoの芽】012クルマはワルモノか?

| コメント(0) | トラックバック(0)

(by paco)クルマはCO2をたくさん出す乗り物です。製造までに大量の資源を使い、走らせるとさらにCO2が出る。一般家庭では、マイカーを持っているのとそうでないのとを比べると、CO2排出が1.5?2倍になるのが一般的で、マイカーは確かに環境の敵です。

業務用でも同じことが言えます。トラック輸送より鉄道輸送、船舶輸送のほうが圧倒的にCO2排出は少なく、やり方にもよりますが10分の1程度に下がります。

やはりクルマはダメなのでしょうか?

ダメと言えばその通りなのですが、ここで重要なことは、クルマをつかない生活が実際に可能か、という点を十分考えることが必要です。大都市に住む人、クルマを持たないでも生活できている人は、安易に「クルマは規制すべき」というのですが、地方都市や農村に住む人にとっては、荒唐無稽な話にしかきこえません。マイカーを持たなければ、仕事も買い物も近所づきあいも、まったく不可能な地域が日本にはたくさんあり、というより、一部の大都市の中心部を除けば、ほとんどがそういう地域だと言ってもいいぐらいです。

大都市に人口が集中しているので、人口比で言えば「ほとんど」とは言えないでしょうが、ざっくり言って、日本の人口の3分の2以上はクルマをやめたら明日から生活がまったくできなくなるでしょう。

では、明日からと言わず、都市計画などをきちんとしてからなら、クルマをやめることができるのでしょうか。これも、非現実的だと思います。日本から農業や漁業をやめてしまい、すべて第二次、三次産業に従事するというなら可能性もありますが、農業、漁業、林業、そしてそれに関連する運搬や加工を含めれば、どうしてもマイカーが必要です。

自宅の前に畑や田んぼを確保している人は現実には少ないし、耕作地が広範囲に点在しているのが普通です。山村では、標高の高いところ、中ぐらいのところというように複数の耕作地を借りて、気温の変化に合わせて栽培する方法もとっていて、どうしてもクルマでの移動が不可欠です。歩いて行ける場所に畑があったとしても、重たい農具を担いで歩き、帰りは収穫を抱えて戻ってくる、市場に持っていくなど、クルマのない農業労働はまったくあり得ないのです。

また、工場勤務にしても、農村や地方都市では、広範囲から通勤しているので、巡回バスなどで通勤の便を確保しようとしても、結局、限りなくマイカー通勤と同じぐらいのバスルートが必要だし、そもそも巡回バスでは、帰りのバス便に合わせることになり、残業することさえできません。

地方都市では、コンパクトシティをめざして、クルマがいらない都市計画が少しずつ進められていますが、駅周辺だけの生活圏と勤務先で完結できる人は限られるので、クルマの利用を「減らす」ことはできても、ゼロに近づけることはできません。

もし、マイカー所有が今よりかなり減る社会を想定するなら、人口のほとんどを大都市に集中させ、農林水産業も極端に集約化して、経営規模を拡大するしかないでしょうが、それでは社会主義的なやり方になり、やはり非現実的です。

日本全体を考えると、あるいは、世界全体を考えると、クルマの利用を「減らす」ことはできても、クルマの台数を大幅に減らしたり、規制することは、非現実的なのです。

ではどうするか。

まず、「クルマなしでも生活できる街づくり」を徹底して、可能な限り、クルマを持たずに生活できる人を増やすというのはよい方向です。たとえば、東京や川崎、横浜の郊外を再開発して、コンパクトシティ化することで、クルマ不要の街を増やすことはできます。クルマを使うにしても、最低限で済ませるように、カーシェアリングを増やして、所有から利用にシフトすることも、有効でしょう。都市内では、クルマを使うにしても、毎日必要とは限らない。カーシェアリングにすれば、最低限の利用にシフトする傾向があります。

その上で、マイカーを所有する場合は(農村や地方都市、仕事の都合上など)、CO2排出のクルマにしたり、小型車、1人乗り車、さらに電動自転車など、最小限のCO2排出ですむ乗り物を持つよう、いろいろな方法で誘導します。エコカー減税もそれにあたるし、大型車は税金を高くするとか、1人乗りの車を開発するなどが有効です。

いずれにせよ、クルマを規制したり、使わないようにすると言うのは、おそらく向こう100年ぐらいは無理です。人と物の移動について、今は存在していないまったく新しいソリューションが登場すれば、可能性が開けるとおもいます。

ということで、環境とクルマの関係は、安易に「やめろ」という議論に持ち込むのは危険です、というか、意味がありません。「Wise Use」をめざすことが重要です。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://w0.chieichiba.net/mt/mt-tb.cgi/853

コメントする