(by JIN)刑事コロンボの追及力

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(by JIN)
最近、毎週土曜日夜NHK衛星ハイビジョンで放送されている刑事コロンボを観るのが楽しみな習慣になっています。子供の頃は、金曜ロードショーで父の「お付き合い」の感じで観ていたのですが、改めて大人になって観てみると見え方が変わっています。今回のブログでは、その「見え方」の1つである「コロンボの追及力」について触れます。

ほとんどの「刑事コロンボ」は、普通なら見破れそうもない完全犯罪をコロンボが暴いてみせるというストーリーです。それも、最終的には、犯人が自ら自発的に自白する所に追い込まれます。この最終的な自白への追い込みの裏には、コロンボの犯人に対する「追及力」があります。

この「コロンボの追及力」は、次の3つの要素から成り立っていると考えました。
・犯人の油断をつく
・外堀を埋める
・犯人の自己矛盾に追い込む

それぞれ解説してみます。

■犯人の油断をつく

犯人を油断させるため、コロンボは色々な手段を用います。

まず、身なりはボロボロのコート。車はオンボロ。浮浪者に近いような、くたびれたおじさん風です。外見からは、とても警察の中でも地位が高い警部とは思えません。初対面で、犯人は「大したことない奴だな」と見くびります。

次に、個人的な親近感を醸し出して相手の優越感をくすぐります。「うちのかみさん」があなたの大ファンだとか、「私の甥」があなたのレストランを大変気に入っている、とか。

その後で本題に入るのですが、あらかじめ考えてきた仮説をここで初めて出して、犯人をちょっとギクリとさせます。しかし、その仮説に犯人が都合のいいストーリーを添えると、「ああ、そうですね!いや、疑問が解けました!」と犯人を持ち上げます。で、犯人がホッと一息付いている所を狙って、一度帰りかけたのにまた戻ってくるのです。犯人の心の隙を狙っているのですね。

■外堀を埋める

コロンボの立てた仮説に対して、犯人はほとんどの場合、何か言い訳をします。その言い訳について、本当は信じていないのですが、とにかく徹底的に正しいかどうか捜査します。そして、その言い訳が成り立たないことを証明することで、外堀をジワジワと埋めていきます。

そうすると、犯人は段々と焦って来ます。この外堀を埋めているタイミングでは、コロンボは犯人の元を夜討ち朝駆けで訪れます。焦ってイライラしてくるのを促すのです。そうすると、心理的に追い詰められた犯人が無理な証拠隠滅を図ろうとして、その時点で足が付きジ・エンドとなるケースもあります。

■犯人の自己矛盾に追い込む

たいがいの場合、辻褄の合わないことがいくつか出て来て、途中でそのほとんどはつぶしてしまいます。でも、1つだけ犯人が主張していた言い訳は残しておきます。そして、その言い訳が成り立たないことを最終場面でコロンボに見える形で犯人に認識させてしまいます。

・・・そうなると、犯人としては、自白せざるを得なくなります。そして、ほとんどの場合、犯人はもう納得ずくになっているため、暴れたりせずにお縄という結末を迎えます。

こうした犯人追及のテクニックは、日常のコミュニケーションでも使えることがありそうに思います。ただ、使いようによっては、非常にいやらしい感じになりそうです。ただ、コロンボの場合、不思議とそのいやらしい感じがないのです。

毎週コロンボを観ているうちに、その理由が分かって来ました。何度か、こういうセリフが出て来るのです。
「私の仕事は犯人を逮捕するまでで終了で、その犯人が善人か悪人かを決めるのは裁判所の仕事です」
つまり、ほとんどの場合、コロンボは犯人の人格を否定するようなことはありません。やむを得ない犯行では犯人の心情に共感しつつも逮捕という職務を遂行しているのです。

一般に人を追及することにいやらしさが伴うのは、追及がしばしば人格否定を伴うからなのではないかと思います。コロンボは、追及しても人間を否定しない立場もあり得ることを教えてくれます。

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