(by paco)村上春樹「1Q84」を読んだ

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(by paco)村上春樹ファンとしては読まずにおれない最新長編「1Q84」。分厚い2分冊で発売になり、瞬く間に100万部というとんでもない記録ですが、内容は??

ネタバレにならないように書評を書くのは難しいのだけれど、たいへんおもしろい、読み応えのある作品です。

どこを切り取っても、ムラカミワールド炸裂で、村上春樹以外、決して書くことのできない作品。そして、村上春樹の一貫したテーマにがっちりフォーカスがあたり、かつ、ここ20年の作家生活の集大成と言えるさまざまな要素がちりばめられていると同時に、どれひとつとっても非常に不快ものを隠し持った重厚な作品になっています。その重厚さは、彼のかつての作品に精通していればこそ感じられるものだけれど、初めて村上作品を読む人にとっては新鮮さにつながる軽快さもあり、こういう両面をもたせられるのも村上春樹という作家のすさまじいばかりの才能です。

文体はますます鍛え上げられ、筋肉質になり、もはや誰の追随も許さない領域に。真似したくても真似できない、誰が真似をしても真似以外の何者でもない薄っぺらさを感じさせてしまうぐらい、彼の文体そのものが硬質になり、この文体以外の形になりようがない必然性がどこからでも輝いて読むものリズムを形成します。こんな文体を書くために、彼は体を鍛え続けているのだろうな。

小説を、何をもっておすすめと呼ぶか、その観点はいろいろあると思うけれど、どんな同期で読んでも絶対損をしない作品です。

さっそく、2度目読みをしています。3回ぐらい読まないと、物語の全貌がわからないぐらい、宝石がちりばめられた作品を書くのが村上春樹です。

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