(by yuki)SARSを思い出させる新型インフル

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(by yuki)日本はゴールデンウィークの連休でしょう。中国は労働節で3連休です。4月末にフェーズ5に引き上げられたこともあり、世間では豚インフルの話題で持ちきり、こちら中国でもテレビや新聞では日々豚インフル情報が取りざたされています。各国の感染者数、各機関の発表などなど。そんな光景を見ながら、私はSARSが大流行した年のことを思い出しました。

2003年の年明けから春にかけて、中国の広東省(今まさに私が住んでいる場所)から台湾や北京、さらには他国にまで広まったSARS、中国では「非典型性肺炎」と呼んでいました。当時、私は北京で大学時代を過ごしており、「何だか世間が騒がしいなぁ」と思いながら明けたばかりの2003年を過ごしていました。春になり、中国が正式にSARS を発表すると、私たちの生活は一変しました。大学の敷地に出入りする人は必ず身分証明書が必要となり、敷地内の寮に住んでいた私たちも大学外へ出る時は外出証明書を発行してもらうことが必要となった。そのうち「○○大学で感染者が出た」などという噂も広がり出し、街中ではマスクをつけた人しか見なくなった。全ての建物で消毒という消毒が実施され、まるで消毒剤の中で生活しているくらい服に匂いがしみ込みました。

はじめは広東省での被害が大きかったのですが、北京でも大流行となり、大学の授業では「大学が休学になる可能性がある」と先生が言い出しました。日本の外務省からは退避勧告が出され、結局大学(外国人の学科)は2か月間の休学となり、私も日本へと一時帰国することになりました。

あの時、休学が決まったものの、最終的にどれくらいの期間休学になるのか当初は全く決まっておらず、留学生たちは相当に先のことを心配していました。一体いつから授業が始まるのか、数週間で済むのかまたは半年・一年になるのか、休学が終わってもSARSはまだあるんじゃないのか…。先のことが見えず不安になって、大学を辞めて本帰国する人もいました。今、豚インフルが流行している地域に住んでいる日本人が、どれくらい不安な気持ちでいるのか、私には痛いほど分かります。

今回の豚インフル、中国ではSARSの時のような状況にはなっていないけど、一度この国で流行したら…と考えると、SARSの時のような対応が必要になるのかもしれません。最悪の事態を考えておく必要があります。
ただ、大学が休学となり一時帰国したあの時と違って、もし中国で大流行してもきっと私は帰れないと思う。現地採用の人間にとって、日本に帰る=会社を辞める、ということになるし、先のことも決まっていないのにとりあえず日本に帰国するなんてことはしたくない。とにかく大したことにならないでほしいと、ただただ願うばかりです。

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