(by GoldenGreen)農業ビジネスじゃなくて、百姓

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(By Golden Green)

農業をはじめると言った時に、

「あっ、農業ビジネスね。」
「いままでとは違う農業で高付加価値、高収益なモデルを目指すのでしょ?」

なーんて言われていましたが、実はというか、全然そういうことには興味がありません。僕が目指すのは、地道なお百姓さんです。

高付加価値というのは、多くのものは「あれば便利(いいもの)だけど、なくても別段困らないもの」です。

銀座千疋屋のメロンは1個1万500円します。たしかに美味しいのでしょう。(遥か昔に食べた事がありますけど、まあ美味しいです。でも涙はでません。)でも、いくら儲かるといっても、そんなメロンを作りたくはありません。
出来る限り、日常的に無理なく摂取できるような価格のお野菜やお米をつくっていきたいと思うのです。もちろん赤字にならない程度に。

日本という国は、高付加価値なものを効率よく作り、世界に輸出することで今の地位を築きました。

車、テレビ、オーディオ、パソコン、ゲーム機、カメラ、白もの家電、等々。

そういった高付加価値なものを、勤勉さと突出した技術力で作り、世界中に輸出して得た利潤で、今度は食糧や日用品を世界中から買い集め、豊かな生活をしていくというモデルをつくりました。

原油が無限にあり、技術革新が絶え間なく進み、人口が増え続け、環境問題も取るに足りないという「前提」があれば、日本の選択したモデルはなかなかいい選択肢だと思います。

でも現実には、原油には限界があり、技術革新はここのところいまいちパッとせず、先進国の人口は低減を始め、環境はすごい勢いで変わり始めています。とてもじゃないですが、「前提」にするには厳しいものがあります。

前提がなりたたなくては、日本的モデルは崩壊してしまいます。日本の二月の貿易輸出額は前年比で49%ダウンでした。世界的な不景気・金融危機の影響だけで話を片付けてしまっては、結局「内需拡大」という自己矛盾的な解決策しかでてこないのではないでしょうか。

前提が危うくなっていると感じて、僕は農業を始めたのです。高収益、高付加価値なモデルをつくりたいのであれば、たぶん前の会社にいるほうがずっと適しています。前提が崩れつつある中では、地道に「絶対にないと困るもの」を作り続け、そんなにガツンとは儲からないけど、そこそこ食べていくことができる仕事や生活に切り替えていくことくらいしか、思いつかなかったのです。だから、収益性が低く、儲けにならないと言われている、米、大豆、蕎麦なんかもつくっていきます。60種類の野菜を作るので、ほとんど大規模な家庭菜園みないなもので、効率からするとあんまりよくないです。

でも、こういった地道な農業で、絶対にないと困るものをきちんと提供していきたいと思っています。

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