(by take)日本人の集まり

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(by take)僕がセブ市内に暮らすようになって、5年が過ぎようとしています。カオハガンで暮らした2年半はまさに離島暮らしでしたから、フィリピンに住んでいると言う感じよりも、素敵なキャンプ場で日本人旅行者と楽しい時間を過ごしたという感じでした。非日常を演出する島で、自分自身も非日常的な暮らしをしていたのかもしれません。

それとは反対にセブ市内で旅行会社に就職して、お給料をもらいながらも資本主義の荒波に揉まれ暮らしていく今の生活は、良い部分も悪い部分も現実的な暮らしだと感じます。

どうも抽象的な表現でごめんなさいm(_ _)m

どちらの暮らしも、それぞれ大切な事を勉強出来ると思っていますが、今の暮らしは現実味を帯びている分だけ、持続性がある暮らしだと感じます。特に結婚して、子供が生まれて、といったごく一般的な暮らしの変化の中で「僕の残りの人生の大半は、日本ではなくフィリピンで過ごしていく事になる。」としみじみ実感しています。

ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、そういた気持ちが芽生えた事と、カオハガン時代の先輩マネージャーもここセブで地に足が着いた暮らしをされているのですが、その方のお誘いもあって、3年ほど前からセブの「日本人会」と言う団体で理事となって色々な活動のお手伝いをさせて頂いています。
今日はその会に入っていて感じる「海外で暮らす日本人が集まり、相互で助け合い暮らしていく。」という事について僕が感じていることを書いてみます。

3ヶ月以上海外に駐在する場合は、日本の法律で最寄りの領事館に「在留邦人届け」の提出が義務づけられています。セブは現在約2,000人が提出しています。短期滞在や面倒などの理由(違反しても罰則はなし、違反者の調査もありません)で提出が出来ていないだろうという人も多数いますので、セブには結構日本人が住んでいるのです。ところが現在僕が所属している「セブ日本人会」の会員数は約250人弱です。他の国のことは良く分かりませんが、在留邦人届け未提出者の事も踏まえると入会比率は10%以下になりますので、これは結構少ない数字だと思います。実際に僕が担当している財務面から見ても、支出金額が収入を若干上回っていて、不定期に寄付を募ったりして今までやりくりしてきたのです。

なぜ入会者が少ないか、どうすればもっと多くの方に入会してもらえるか?理事の間ではしばしば議題にあがります。そこで良く出る意見は「入会に際して、彼らの海外生活で必要と考えている事と、会に入って得る実利に乖離があると考える人が多く、入会しても会費に見合うようなメリットがないと感じている人が多いのではないか?」という話です。もちろん実利といってもお金の話ではありません。例えば、人脈が広がる、安全情報などが手に入る、公認団体に所属していることでセブにおいての信用度が上がる等々が考えられます。

実際にセブは本当に平和で穏やか町ですが、それが意外な弊害となっている様な部分もあります。つまり日本人会に入会するために、在留邦人届けの控えを取り寄せて、写真入り提出書類に推薦人を探して記入した後、入会費と年会費を払わなければいけません。そんな面倒な手続きなどしなくても、なじみの日本食レストランの常連客が気軽に集って、草野球で汗を流した後の打ち上げで飲んで「よもやま話」をすれば、それなりの情報も入るでしょう。又、そこで得られる人脈に困ったことを相談すれば、これもそれなりに何とかなりそうなのです。色々な入会規定を設けている「セブ日本人会」に入会する事の敷居が高く、その割には対した対価が得られないのではと言う意見があるのです。でも実際には日本人会は歴史もあり、領事館や商工会議所等との対外的な協力体制も整っていて、有事には一番力を発揮出来そうですが、その有事を意識するほど危険や危機感がないのです。

もちろん日本人会への入会に様々な手続きが必要なのには理由があります。それはちゃんと自己責任で物事を対処できる人の集まりでなければ、多くの人が助け合う会として運営出来ないからです。
実際にフィリピン人女性に騙されたと泣きつき、アドバイスだけでなく金銭的な援助や帰国、離婚、訴訟の手続きの代行を頼む人がいらっしゃいます。もちろん同じ日本人として犯罪やトラブルに巻き込まれた人のお手伝いをしたい気持ちはありますが、余りにも自業自得な行いの結果の尻ぬぐいをする「駆け込み寺」ではありませんから、そういった実務的な手続きはご自身でお願いすることになります。すると「英語も話せず、誰に文句を言っていいか分からなくて困っているのに、お前らは会費だけ取って、本当に困った会員に何もしない詐欺みたいな集まりだ。」と中傷する人もいるのです。領事館に駆け込む困窮邦人も同じ様な事を言い、職員に食ってかかる人も多いそうです。又、そういった方に仮に個人的に金銭を用立てても、返金せず逃げてしまうケースも多いそうです。つまり日本で暮らせないトラブルを抱えたたぐいの人がフィリピンに流れてきて、結局同じようなトラブルをここでも起こす人がいるのです。

とは言え、今まで日本人会の活動はある意味では慎重に行動するが故に、保守的と取られかねない部分もありました。現在多くの理事はそういった部分を打開して、開かれた役に立つ「日本人会」のあり方に取り組んでいます。現在の理事には私と同じようにフィリピン人妻と子供を持って、長期に渡ってここで暮らす決心をした方もおられます。そういった人は皆「日本人会はいわばセブの町内会や自治会。みんなが安心して仲良く暮らせるように少しずつ協力しあっていけば、それが結局自分の暮らしやすさにも繋がる。」という共通した見解があります。無報酬のボランティアの活動ですが、結構熱意をもって行動しています。

海外で暮らす人は、本当に様々なバックボーンを抱えて暮らしていらっしゃるので、みんな一まとめにしてとはいきません。それ故日本人会に期待することも様々です。でも同じ異国の地で暮らす日本人として、お互い助け合えるようなシステムを作ることは、皆が望んでいることでしょう。そう言ったことを踏まえて、会員同士が、又、会員の枠を越えてセブに在住している人が安全に便利に暮らせるように模索していこうと思っています。(by take)

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日本人会という名前がオフィシャルな感じなので、日本政府が組織しているとか、政府から援助を得ている、というように感じる人も多いのかも。組織になると、とたんに依存的になる、というのがありそうです。植林のような価値道は「森」という目的が見えるので、まだやりやすいのですが、相互扶助というと、見えにくく、余計に依存的になるのではないかと思います。このあたりの会の目的やポジションニングを明確にした方がいいのかもしれませんね。

外交的には 日本とはどうなんでしょうか。やばいイメージは私にはないのですが。

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