(by paco)「対話編」を読みました

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(by paco)「対話編」という小説がありまして。

金城一紀は1968年生まれの作家で、2000年に「GO」で直木賞を取った実力派、というのは今はじめて調べてみました。もともと、携帯に本をダウンロードして読むのが好きで、ネット本屋さんを巡っていて、偶然買って読んだのが「GO」でした。これがなかなかいい作品で、なかなかのストーリーテラーで、かつ夫での力がある人だなあと思っていたのですが、夏の間に書店にぶらっと寄ったら、新潮文庫の夏休みシリーズで、「対話編」があって、買ってみました。

直木賞作家だったのか?やっぱりね、という感じですが、文体はかなりと村上春樹に似ています。それも、書き出しが似ていて、気になるのですが、中盤になると彼らしい文体になるので、最初は緊張して、人まねになるのかな、というのは、どうでもいいのですが、切ない恋愛をからめた、男っぽい設定と、意外性のあるストーリー展開は読んでいて飽きないし、シンプルなメッセージが心に残ります。

「対話編」に関しては、「愛するものの手を離すな、一度離してしまえば、だれよりも遠くにいってしまう」。わかっているようで、ついやってしまうような、そんなせつないお話しです。普通ないだろうという設定なのに、それだからこそ、切なさが迫るのですね。

ついでに「GO」は、在日朝鮮人という著者自身のルーツをベースに、とんでもなく暴力的なのに、さわやかという、エンターテイニングな良品です。「いいお話し」を読みたい人にお勧め。

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