(by paco)「小泉の勝利 メディアの敗北」を読んだ

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(by paco)「小泉の勝利 メディアの敗北」という本がありまして、

小泉政権の五年半は終わってみれば難局を切り抜け けっこううまく乗り切った。 彼は偉大な宰相であったのか? しかし、どのメディアが彼の成功を予測しただろう。 誰も読み切れなかった小泉政治の本質を考察する。

というわけで、政治評論家、じゃなくてジャーナリストなんだろうか、この人は。キャスターのようですね(^-^)。年上なのかなと思ったら、1968年生まれの40歳なんですね。

小泉政権時代にあったトピックを振り返って、その時の前後の概要と、著者自身が発表した評論と、それに対する「振り返り」で構成されています。選ばれているシーンは、「田中真紀子の更迭」「靖国参拝」「郵政選挙」など、10件あまり。

全体に、自分がその時点で見た小泉と、あとから振り返ったときとのギャップを素直に反省していて、それ自体は好感が持てるというか、こういうタイプのジャーナリズムの手法は、ありそうで、なく、勇気ある行動だなあと経緯が持てます。

とはいえ、実際に中身を読んでみると、「え? そんなこともわからなかったの?」というようなことも多くて、靖国問題についての考察などは、当時の記事も浅いし、あとから振り返った記事も、まだまだ深まっていない感じで、本質をつけていません。

郵政解散の章では、「議会制のルールの観点から言えば、郵政解散ほど、道理の通らない話はない」と書きながら、その「ルール違反」がどのようなものだったか、そしてそれをなぜ当時にジャーナリズムがきちんと指摘できなかったのか、ルール違反を平気で行う首相をなぜそのように批判できなかったのか、また、すぐに次の(選挙の)話に行ってしまうジャーナリズムの構造や、それがどれほど社会に悪影響を与えたかなど、「検証」すべき点はいろいろあるはずなのに、せっかくの検証の機会をまたまた、「そのあと、どんな流れで解散し、小泉が勝利したのか」の状況説明に終わっています。消化不良というか、何を消化しようとしているのか、ある意味、よくわからない。

というわけで、本としてはあまり出来のいい本ではないのですが、ジャーナリズムが、こんな感じに、本質を突けない種類の、頼りない存在なのだということはよくわかる本ですね。

ということで、「読むほどの本ではなかった」という★☆☆☆☆評価の本でした。

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