(by paco) [知恵市場 Commiton]361へのJINさんからのコメント

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(by paco)今週のコミトン
[知恵市場 Commiton]361民主主義と法治主義という国家アイデンティティ
について、知恵市場ライターのJINさんからコメントをもらいました。

上記の記事は、裁量制などの最近の動向と、国家戦略の関連性について書いたものです。興味のある方は、ぜひ有料版に登録していただき、読んでみてください。


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(by JIN) 裁量労働は、戦後労働者を手厚く保護するため大きな労働規制の元に立法された労働基準法に対して、80年代以降の規制緩和の流れの一環として導入されたものです。

私は、最近の労働規制強化の動きには、国外要因と国内要因があるとみています。

国外要因は、アメリカからの外圧の緩和です。日本がアメリカの脅威ではなくなってきて、規制緩和の外圧の手を緩めてきています。アメリカの脅威感の矛先は日本よりも中国に向いています。また、参入マーケットとしても低成長の日本市場は魅力が薄れています。ですから、日本が規制強化の動きに出ても、そこに規制緩和の「外圧」の声は聞こえてきません。

国内要因は、政治家と官僚の権益です。

最近の労働関連の規制強化の動きは、根っこに「格差是正」の大合唱があります。かつてとは異なり、経団連が活発に献金を行い政治的影響力を行使することも少なくなりました。経団連も今は官僚の作文を読んでいるだけのような集団になっています。また、大票田であった郵便関連組織も、郵政改革により本当に選挙の時機能するのか心許ない状況ではないでしょうか。ここで、浮動票である「弱者」に政治家が焦点を当てて、「格差是正」を叫んでいるように思います。

また、官僚は、本来的に「規制強化」を好む習性があります。規制強化は、すなわち彼等の権益強化につながりますから。特に、サービス残業を取り締まれば、最近では過去2年間にわたって数億円の支払いを命じることがあり、その社会保険料は厚生労働省に吸い上げられます。ただでさえ国民年金不払い等で苦しい中、厚労省にとっては恵みの雨ではないでしょうか。

pacoさんのおっしゃるとおり、結果としては、BRIC'sとの差別化を図る流れになっているのかも知れませんが、政治家や官僚の動機は上記の所にあるのではないか、というのが私の感想です。

ひるがえって、そもそもの裁量労働・サービス残業問題について考えてみます。

私は、ある程度の裁量権を持つホワイトカラーには、残業代支給はその職務の性質上馴染まないと考えています。個人的にも、駆け出しの数年間は別にして、それ以降、会社に残業代を請求したことはありません。pacoさんがおっしゃるように、休憩に出た時のことを考えると、たしかに持ち場は離れていますが、仕事のことを考えてもいます。帰りの電車の中や、自宅の風呂場でも同じことです。逆に、職場にいても、本来時間当たりの成果が求められているのに、自らの未熟さゆえに「お勉強タイム」で終わったりしていて、それの時間に対して「残業」を請求するのが、どうにもプライドが許さないのです。

・・・とはいうものの、上記の私のプライドは「ええかっこしい」ということも理解しています。何をしようと残業は残業、それに対して賃金を請求するのは法的権利です。

そこで、そうしたプライドと法的権利との調和を図るのが、裁量労働だと思います。

ただ、現実問題として、裁量労働は労働強化につながる恐れもはらんでいます。その点は、メンタル面も含め、労働者のヘルスに対する注意義務を課すのが法の役割と考えています。規制すべきは、労働者の健康への害悪であり、裁量労働という労働のルールそのものではない、という立場です。
(by JIN)
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★by paco↓

国家戦略についての話は、たまたまは話を聞いた、あるコンサルタントから聞いたことなので、それなりにオーソライズされてきていること、という印象でした。真実は、わかりませんが、政治主導ではなく、官僚主導という印象を受けました。

労働強化の話、つまり、裁量制と健康管理派別で考えるべき、という議論は確かにその通りなのですが、現場を見ていると、やはり切り離すのは難しいというのが、印象です。

というあたりを考えてみると、本来は事前契約の年俸制までやるべきで、裁量制のような半端なやり方は、むしろ機能しにくいのではないかという気がしています。ただ、折衷的な制度うまく運用するのは日本人のわりと得意なところなので、そういう意味で、この制度は以外に日本に合っているのではないか思っています。いずれにせよ、働き方のしくみは、まだまだ試行錯誤が続くことになるでしょうね。

会社員の皆さんは、そのたびに試行錯誤に付き合わされることになりそうですが、「とばっちり」を受けても、メンタルなダメージを受けないようなタフネスこそ、今一番必要なのではないかと思います。

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コメント(1)

pacoさん

JINです。
コメントありがとうございます。

政治主導ではなく官僚主導、というのは、言われてみると私もそう思います。特に福田政権になってからは、官僚の言うことがそのまま政治になっている印象を受けます。

「裁量制と健康管理は別で考える」のは「現場では難しい」というのは、具体的にはどういうことなのか、明確には分かりませんでした。裁量労働制を採用すると、実質的には労働強化になってしまう傾向が強い、ということでしょうか?差し障りのない範囲で教えていただけると嬉しいです。

裁量労働よりも事前契約の年俸制の方が徹底している、とおっしゃる点も、意味を明確に理解できませんでした。労働時間に対してではなくて、成果に対して報酬を支払うには年俸制の方が適している、とのご意見と想像しますが、なぜそうなるのかが、明確には分かりませんでした。「年俸制」「裁量労働」と言っても、色々な定義があり得ることもあり、pacoさんがどのような思考回路で、上記のようにお考えなのか、お差支えなければ教えていただきたいと思います。

よろしくお願いします。

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