(by クヌギー) 本読みが本を読まないとき 第5回 書くこと

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(by クヌギー) この数年で、生活の中で書くことが根づいてきました。
書くところは主にブログです。内容も読んだ本のことが中心ですが、暮らしに関することや、ちょっと考えたことも書きます。今では、常日頃からふとしたときに「これは書いておこう」と思うようになっていて、実際に、些細なことをちゃんと書き留めておくことが大切だと続けてみて感じています。
というのは、そのように書きためたものをときどき読み返してみると、少しずつ重なっているところがあることに気がつくからです。そして、重なってはっきりと色濃くなっている部分が“答え”とか“ほんとうのこと”で、それを見つけるにはたくさんの文章を重ねる必要があります。

そんなふうに時間をかけて答えを見つけるやり方が性に合っているようです。そもそも自分のやりたいことを考えるプロセスとしてブログを始めたので余計に、かもしれませんが。

ブログを始めたのは2004年の4月です。途中、気が乗らなくて月に数回しか投稿しなかった時期もありましたが、足掛け4年。小学生のときは日記が大の苦手で、毎日書くことが苦痛だったのに、不思議なものです。

きっかけは、この知恵市場を主宰するpacoさんの本「35歳からは好きなことでお金を稼ぐ」と、それに基づいたワークショップに参加したことでした。
当時、「このまま会社で働き続けても、今ほど仕事が楽しくなくなるかもしれない」という不安を感じていました。
またそれよりも前から、働くことをやめるタイミングは自分で決めたいと思っていました。会社勤めでは、働き続けたくてもある年齢になると働けなくなります。また、ある程度の年齢になって相応の立場に置かれれば、途中で仕事を減らすことも難しくなります。それはちょっと勝手が悪い気がしていました。
ちょうどそんなときにpacoさんの本を読み、ワークショップに参加する機会にも恵まれたのは、今思うといいタイミングで、本のとおりに、自分の好きなこと、好きなやり方、それで生計を立てる方法を見極める手段としてブログを書き始めました。

最初はブログそのものにおっかなびっくりで、トラックバックも受け付けず、ただ読んだ本のことだけを記録していました。それでも書き続けるうちに、それなりに幅広くジャンルにこだわらずに読んでいると思っていたのがそうでもないとわかりました。小説が多いこと、それも大衆小説に偏っていること、SF、ハードボイルドはほとんど読んでいないことなど、自分の読書傾向が見えてきたのです。これで、ただ「本が好き」から1歩踏み込んで「大衆小説を読むのが好き」とひとことで説明できるようになりました。

読んだ本のことだけで書き続けることに煮詰まり始めたころ、使っていたブログサービスが停止することになりました。それをきっかけに今のブログに移って心機一転、また書く気力が湧いてきたのですが、読書傾向の次に知りたいことはすぐには見つからず、しばらくはまたなんとなく続ける日々でした。
そのうちに、また本のことだけでは書くのがつらくなってきました。やはりネタに限りがあります。そこで、生活のすべてが本というわけでもないし、ときどき仕事のことや、暮らしのことも書くようにしました。それからです。日々の暮らしの中で「これは書いておこう」思うようになったのは。
そして、それをしばらく続けるうちに、今度は自分の生活が何で構成されているかを知ることができて、「人+食+本=図書室たき火」というブログのテーマが生まれました。

こんなふうに、時間をかけて納得のいく答えを出す考え方が、私にとっての「書く」ことです。即断即決の世の中では、気の遠くなる作業に見えると思います。
けれども、缶コーヒーにはない水出しコーヒーのおいしさがあるように、時間をかけることによる違いがあるかもしれません。希望ですが。

そういえば、缶コーヒーって飲んだことがありません。


(お知らせ)
第6回は6月25日です。実は次回がこのシリーズの最終回です。

(参考)
けっきょく、pacoさんの本のタイトルどおりに35歳の少し前に会社を辞めました。そのころの投稿。
図書室たき火通信「ブログを続ける理由」 →http://takibilib.exblog.jp/5248479

(1冊)
“本と食”のイメージがよりふくらんだのは、「じつは、わたくしこういうものです」に収録されている「シチュー当番」を読んだとき。こんな図書館があったら…と思いました。


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クヌギー/功刀貴子

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