(by take)二つの命

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(by take)僕たち夫婦にとって待望の第二子が、先日生まれました。とても元気な男の子です。ロナリンの卵巣ノウ種の手術を乗り越えて生まれてきてくれたので、うれしさは格別なものがありました。
今回は息子「真佐人」の誕生と、ほぼ同じ時期にロナリンの姪が出産したので、この二つの命について書いてみたいと思います。

まずは、今回本当に呆れてしまった出来事がありました。身内の恥をさらすようで記事にするのは考えものだったのですが、これもフィリピンの中ではさほど珍しい話しではありません。でも日本人の僕からすれば「なぜそう考えるのか?」全く理解出来ませんでした。結局、貧困が人の考えを歪めることになるのでは?と結論づけた出来事でしたので、皆さんにも聞いてもらえればと思います。

今回ロナリンの妊娠が判明する少し前に、ロナリンのお兄さん(長男)の娘ケーシーが妊娠したことが分かりました。彼女は無職で浮気者の父親と見栄張りの母親に嫌気がさしたのか、高校中退の後は水商売らしき所で働いたりして「やんちゃ」だったのです。
でもここ1年ぐらいは、本当に好きな彼氏が出来たようで、一緒に彼氏の家に転がり込んでいたのでした。しかし彼氏も大変な貧乏で、父親は無く事故で手が不自由になった母親と13才の弟との3人暮らしです。弟は経済難から学校に進学せず家にいます。家計は彼がアクセサリーを作る内職で月1,000?2,000ペソ程度(2,500?5,000円)の現金でやりくりしなければいけません。当然不足するので、彼の母親の兄弟が彼らの食事の面倒を見てくれている様子です。

そんな経済事情の二人ですから、これも当然生活していく上で色々な人と色々な「もめ事」を起こしていたのですが、ケーシーは17才という若さもあり(彼も20才)これまた「大人の助言」に耳を貸さずに、その日暮らしを続けていましが、同棲中にやっぱり妊娠してしまいました。

一方、ケーシーの父親(ロナリンのお兄さん)もこれまた身勝手です。自分が無職でぶらぶらしているのに、ケーシーの彼氏に自分の事を棚に上げて生活態度に関して「説教」などをするので、反発を受けています。又、ケーシーの母親はそんなもめ事には感心なく、最近親戚から安く譲り受けたという「カメラ&FMラジオ付き携帯電話」を持っていることを自慢したくて、ことある毎に人前で見せびらかそうとしています。いやはや、そんなことをしている場合じゃないのですが…

そして、ケーシーは出産予定日が近づいて来たのですが、お金がないのでちゃんと毎月の検診も受けていません。本人・両親とも「元気に動いているから大丈夫。」と重要だとも捉えていません。又、出産費用の捻出も何もアクションを誰も起こさないのに、時間だけが過ぎていました。

そんな態度にいらついていたのが、僕とロナリンそしてロナリンのお母さんでした。特にロナリンは同じ妊婦だけに、相当やきもきしていました。

僕もこんな状況で経済的な面で手助けなどすれば(診察代を出して、検診を受けさせるなど)、ますます自立の努力をしなくなると強く感じていたので一切支援をしませんでした。そして僕たち3人で出した結論が、病院ではなく産婆さんが経営している出産専用の施設を利用すること、費用の2,000ペソ(約5,000円)は母親の携帯電話を質に入れて捻出することでした。ところが、呆れたことに母親は、この提案をロナリンのお母さんが話すと「絶対に私の携帯電話は質なんかに入れたりはしない。娘は親の言うことも聞かずに勝手に妊娠したのだから、勝手に生めばいい。」と言い張るばかりでした。そして、そんな大人の身勝手な振る舞いにうんざりして生まれてくるのを拒否しているのか、予定日を10日過ぎてもまだケーシーは出産の兆候が見られませんでした。

そして、ケーシーはいよいよ陣痛が始まり産婆さんの施設に入院しました。そこは5つベッドがあり、産婆さんとアシスタント2人で切り盛りしています。産婆さんは40代で経験豊かな人なのである意味安心ですが、同時に何人も産気づいても彼女一人で取り上げるのです。もちろん部屋にはエアコンなどはなく、日中は蒸し暑くて大変です。余談ですが、こんな施設で出産するケースはめずらしくなく、庶民(特に地方の山村)の多くが利用しています。(分娩全体の7割程度と言われています)だからフィリピンの出産に対する妊婦の危険度はまだまだ高く、出産に際しての妊婦死亡率は出生10万人に対して200人で日本の20倍です。フィリピンでは出産は女性にとってまだまだリスキーな出来事なのです。
そして、ケーシーは2週間近く遅れていたのに、2,400gと小さな女の子を無事出産しました。ただ胎便をしていた(子宮内で便をしていました)ので、抗生物質を投与して様子を見ることになったのです。

そして、何人もの妊婦が出産後仲良く親子で実家に帰っていく中、ケーシーは産婆さんに入院費用が払えず、退院することが出来ませんでした。(逃亡されては困るので軟禁状態です。)通常は2日程度でみんな退院するのですが、出産して5日後もまだ支払いの出来ないケーシーは、ベッドを使うことも拒否されて、丸椅子に座って子供を抱いて過ごしていたのです。
一方、陣痛が始まってから、ロナリンとロナリンのお母さんが口うるさくお金を工面しろと言っていたケーシーの母親ですが、ついに携帯電話を質に入れ、僅かな現金を手にしました。そして彼女の取った行動は、お米とおかず、そして一番年下の子供のビタミン剤と風邪薬を買って家に帰ったのです。その時点で殆どお金は残っていなくて、ついに根負けして僕たちが入院費用を支払うことになったのです。本当になんの為に携帯電話を質に入れたのでしょうか???

退院後、ケーシーは子供を連れて両親のいる実家へ帰ったそうです。ちゃんとやっているのか心配でしたが、やはり生まれた初孫は可愛いのか、毎朝日差しが穏やかな早朝に早起きしてケーシーの父親が日光浴をさせて、その後、母親が沐浴させていると聞きました。そして赤ちゃんのおかあさんであるケーシーは、そんな両親をよそに毎日彼氏と2人で爆睡しているそうです。

世話を焼きすぎた僕とロナリンが疲れてしまいました。とほほ…

そして、今度はいよいよロナリンの出産予定日が迫ってきたのです(続く)
(by take)

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