(by まつおっち)掘り下げ力

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(by まつおっち)

以前書いた「仕事の3つの喜び」で、

「発見の喜び」「創造の喜び」「上達の喜び」

のうち、最も重要なのは「発見の喜び」だと、
くら寿司社長、田中邦彦氏がおっしゃっていたことをご紹介しました。


今回は、「発見の喜び」について掘り下げて考えてみたいと思います。

仕事の中で、

「なるほど、わかった!こうすればもっと仕事がはかどるな!」

あるいは、

「ここをおさえれば、いい商品ができるな!」

といった‘気づき’を得るのが「発見の喜び」です。
実際、こんな気づきがあると仕事が楽しくなりますよね。


では、仕事の中でこんな気づきを得るために必要なことはなんでしょうか?
それは、物事を深く考えることだと思います。

私はこれを

「掘り下げ力」

と読んでいます。


話が飛ぶようですが、あなたは今どんな仕事をやっていますか?

特に、一般に「単純作業」と思われている仕事に就いていらっしゃる方に
お聞きしたいのですが、

「こんな仕事、単純すぎてつまらない、深みがない」

とか感じてませんか。


しかし、実は、ほぼすべての仕事の大半は単純な反復作業の繰り返しです。
もちろん、イメージ的に華やかに見える仕事と、逆に、地味な仕事があります。

しかし、仕事そのものはほとんどが単純作業なのです。
でも、優れた仕事をする人に共通しているのは、その単純作業について
とことん考え、深く掘り下げていることです。

そして、よく考えられ、磨き上げられた、
単純なだけども練達の動きが優れたものを生み出すのです。
(職人の技がその典型ですね)


今はもうどこで知ったのか覚えていないのですが、
九州のどこかに「飯炊き名人」と呼ばれるおじいさんがいるそうです。
あるオニギリ屋さんなのですが、ご飯を炊くのはずっとそのおじいさんの仕事でした。

「飯炊き」なんて実に単純な仕事ですよね。
でも、「飯炊き名人」が作ったごはんは、誰もが認めるおいしさ。
他の人には決して同じ味を再現できないのです。

オニギリ屋さんは、その名人のおかげで繁盛しているということでした。

「飯炊き」という一見単純な仕事も深く掘り下げてみると、
米の銘柄や産地の選定に始まり、使用する水、米の研ぎ方(手を入れる角度とか)、
火の調節など、実はとても多様で、複雑な要素で成り立っていることがわかります。

そのおじいさんは、これらのすべての要素についてとことん極めつくしているからこそ、
最上のごはんが炊けるのです。

また、以前、京都の老舗料亭「吉兆」の総料理長、
徳岡邦夫氏からも次のような話を聞きました。

最近の不祥事でイメージが低下したものの、
吉兆は、一流と呼ばれる大学から数千人の学生が
入社したいと応募するほどの人気企業です。

そんな難関をくぐりぬけて入社した新入社員は全員、まず

「お運び」(接客サービス)

の仕事をします。
この仕事も一見、調理場から客席へと料理を運ぶだけの単純作業に思えますよね。


しかし、徳岡氏は、A点(調理場)からB点(客席)と運ぶという業務を
とことん掘り下げて考えることを社員に要求するのです。

たとえば、A点の調理場では、接客している客の人数や食べるスピードなどに応じて
料理を出すタイミングなどを的確に料理人に指示できなくてはなりません。

また、B点の客席では、お客様に料理を存分に楽しんでもらうために、
自分として何ができるのか、やるべきなのかを日々考え、学び続ける必要があるのです。


さらに、もうひとつ「C点」として、徳岡氏は、今の仕事のことだけでなく、
視野を広げて、「吉兆」がやれること、やるべきことについて考えることも期待しています。

こうすることによって、彼らは、一流料亭にふさわしい

「最高品質のサービス」

が提供できる人材として成長するのだと、
徳岡氏はお考えなのでしょう。


私は思います。本当に「単純な仕事」はありません。

もしあなたが自分の仕事を「単純だ」と考えているとしたら、
それはあなたの思考が単純なだけです。どんな仕事にも、
深く掘り下げる価値のある複雑な内面を持っています。

ですから、仕事の深淵が少しずつ見えてくると、
次々と新たな発見がやってきます。


掘り下げるのは大変な作業ですが、
その結果として「大きな喜び」が報酬として与えられるのです。

(by まつおっち)

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