(by まつおっち)「人間圏」の行く末

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(by まつおっち)

今日は、ちょっとスケールの大きな話です。
小人物の私が書くのはちょっと気が引けますが・・・


このところ、

「地球環境問題」

に対する関心がますます高まってますよね。


私は、以前からしばしば、
素朴な疑問が頭をよぎることがあります。


「なぜ、人間は、環境にただ従属するのではなく、
 環境そのものを大きく変えてしまう力を持ったのだろうか?」


人間がこれまでどおりの生き方を続けていたら、
地球資源を蕩尽し、また破壊しつくして、
最後には地球の全生物を巻き込んで自滅してしまうでしょう。

これは決して悲観的な推測ではなく、
現状の延長線上にある確実な未来だと思います。


単純に考えると、
人間は、地球の生物の終末を速めるために、
地球に誕生したやっかいな生物ということになりますよね?

私たちは「ターミネーター」?

いや、さすがに人間がそんな宿命を背負って
生まれたはずはない。何か別の重要な、
果たすべき役割があると考えたいところです。


その答えは見当もつきませんが、
今日は、人間の存在というものを
宇宙や地球の歴史も踏まえて考えてみたいと
思います。


宇宙の年齢は、およそ137億年だそうです。

つまり、ビッグバン(宇宙大爆発)が起こり、
宇宙が膨張を始めたのが137億年前でした。


地球の誕生は約46億年前です。

さらに地球に「生物」が現れたのは、
約20億年前と推定されています。


私たち現生人類につながる旧人類の歴史は、
700万年前に始まりました。

現生人類である

「ホモサピエンス」

は、15万年前に登場。


「ホモサピエンス」も、
当初は環境に従属した暮らしをしていました。

すなわち、狩猟採集で命をつなぐ、
食物連鎖に組み込まれたか弱い生物に
過ぎませんでした。


しかし、農耕牧畜を始めた時から、
人は環境に働きかけ、環境そのものを
人間が暮らしやすいように変質させていくことを
学んでいったのです。

これは約1万年前のことでした。

なぜ、1万年前に農耕牧畜が始まったのか?

それは、そのころから地球の気候が安定したためと
考えられています。

それ以前は気候が大きく変動し続けていたため、
今年食べることのできる木の実や動物たちが
来年もあるかどうかわからない。

今、目の前にあって手に入る食物を
狩猟・採集するしかなかったのです。


ところが、気候が安定することによって、
毎年同じ時期に花が咲き、実がなるようになった。

その周期に気づいた人間が、
農耕牧畜をはじめたというわけです。


こうして、
地球という大きなシステムに従属し、
食物連鎖の中で生きる

「生物圏」

を人間は飛び出て、

「人間圏」

を形成していきました。


「人間圏」という言葉は、
松井孝典氏(東京大学教授)の造語です。

人は、農耕牧畜を開始し、
いわゆる「文明化」を成し遂げることによって、
他の生物が属している「生物圏」とは異なる
独自の生活領域である

「人間圏」

の中で生きています。


この人間圏の中で人間がやってきたこと。

それは端的に言えば、
様々な道具・機械などを駆使して、
人間圏への資源(太陽、水、食物など、
生命維持に必要なもの)の流入量を拡大することです。


そして、とりわけ人間圏への資源の流入量を
驚異的に増大させたのは、

「駆動力」

を手に入れてからでした。

化石燃料(石炭・石油)を使ったエンジンが
その端緒でしたね。


現在、私たちが人間圏への資源の流入量は、
環境にかなりの部分従属していた時期
(江戸時代くらいまでの現状維持的な生活)の
10万倍なのだそうです。

つまり、私たちの現代の暮らし100年は、
昔の1千万年に相当するほどの変化を地球に
もたらしていることになる。

このところ、急速に地球環境問題が
大きくなってきたのは当然のことだったのです。

私たちは、昔の10万倍の速さで地球資源を消費している。

その反動としての様々な問題、松井氏は

「負のフィードバック」

と読んでいますが、
それが今、強烈に私たちにかかってきていると
言えるわけです。


さて、松井氏もまだ、

・なぜ、私たち人間だけが環境自体を大きく変える力を持ったのか?
・人間という種の存在には、どんな意味や役割があるのか?

についての答えは見つかっていないようです。


もちろん、まずは、生き急いでいるかのような文明生活の当然の帰結
としての、環境問題を初めとする様々な問題に対して、
具体的な行動を起こすべきではあります。


ただ、同時に、上記のような

「そもそもの問い」

を考えることで、
根本的な解決の方向性が見えてくるかも知れません。


*以上は、夕学五十講での松井孝典氏の講演内容を
 参考にしました。

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