(by take) 卵巣ノウ種とてんかん発作(4)

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(by take) ロナリンの卵巣ノウ種と麻衣のてんかんという問題を同時に抱えたのですが、ロナリンは安静に日々を過ごすことで、麻衣は投薬により、ひととき安定した状態が続き、少し落ち着いてきました。

そして10月に入り、妊娠16週を何とか無事越えることが出来ました。そして最終の検診で入院は10月29日、手術は翌日の30日に決まり、いよいよ本番だなと実感しました。

今年の10月29日は、全国の市町村の町長や議員を選ぶ総選挙に当たる日で、政府から祝日に指定されました。又、11月1日、2日は日本で言う「お盆」に当たり祝日になります。と言うことで3連休と4連休が相次ぐ週となったのです。しかしお医者さんの話によれば、祝日に手術をすれば、医者は休日出勤になり「特別手当」が必要になるので、手術費用が2倍になるとのことでした。

これも本当にいやになる話しです。フィリピンは祝日に病気になれない国です。全く同じ手術を医者の休日出勤手当に充てる為に、患者に2倍払わせるのです。お盆に海外旅行へ行くわけではありません。今回の見積もりは約6万ペソ(約156,000円)でした。フィリピン人の平均収入でいけば、半年分の給与に近い金額です。もちろん日本人の僕にとっても大きな金額です。(休日に手術すると10万ペソを超えると言われました。)「命はお金に換えられない」のですが、何ともやりきれない事が多いですね。

そしていよいよ手術の日を迎えました。

早朝5時より看護婦が来て色々事前の処置を始めたのですが、薬のアレルギーを調べる注射をしたロナリンは、その余りの痛さに泣き出してしまいました。どれだけ痛かったのかは当人しか分からないのですが、どこかまだ現実味を帯びていなかった「手術」が急速に差し迫ったものに変わっていきました。

そしてここでも不満を感じる事が多々あったのです。

7時半からの手術開始予定なのに部屋にストレッチャーが運び込まれたのは6時過ぎ。随分早いなと思っていたら、ナースステーション前の廊下で止めて、点滴を受け取りその場で付け始めたのです。「普通そういったことは廊下でなく、手術室か病室でやるものだろう。」とびっくりしました。そして点滴を付けたロナリンが手術の準備室に運び込まれたのが6時半でした。でもお医者さんは誰もまだ来ていません。そしてロナリンと僕は訳も分からずその場で待たされることになりました。そして7時になり、僕らが居るのを無視してスタッフ同士で今日の手術予定のミーティングを始めました。これも患者の横でするものではありませんね。手術まで時間があるのなら、病室でもう少し休んでいたかった。何故ここで待たなければいけないのか、わかりませんでした。

しかもそのミーティングでとんでもない発言を聞くことになりました。ロナリンの手術は「ノウ種」摘出後すぐに、良性か悪性かを検査する(万が一悪性の場合は、すぐガン治療を開始するため)予定でしたが、その検査機械が故障していると言うではありませんか。検査自体はすぐ判明すると聞いていたのですが、終わらないと縫合しないとも聞いていましたから、本当にどうなることかとおもいました。手術開始30分前です。そしてスタッフの一人がチーフらしい人と話をしたあと、僕たちに「今検査をする病院を探していますから、摘出後誰かそこに腫瘍を持って行ってください」と言われたのです。本当に憂鬱になります。でも、ここまで来たらじたばたも出来ません。指示を待ち、ロナリンのお兄さんに指定の病院に持って行ってもらうようお願いしました。しかも外で検査するので、現金で検査病院に検査費用を直接払ってくれと言われてしまいました。
ところが、そんなごたごたの横でロナリンは「うたた寝」をしていたのです。もっと神経質になっているのかと心配でしたが、たくましいロナリンに感心すると共に、その寝顔に癒されました(笑)

予定通り7時半に、麻衣の出産からお世話になっているファミリードクターが執刀に来てくれました。会社の社長にも良いお医者様を紹介していただいたのですが、このファミリードクターとは2年を越える付き合いです。ロナリンとの信頼関係が深く、有名でも知らない医者より、気心がしれた人の方が安心という彼女の希望で決めました。もちろん、ロナリンと同じケースの手術も経験済みで、無事出産を迎えた話しも聞いていたからです。

手術は順調に進み、約1時間経ったところで、「ノウ種」が摘出されました。女性の握り拳ぐらいの大きさになったノウ種は、ずっしりと重たい物でした。こんな物が卵巣の中にあれば出産に悪影響なのは明確でした。すぐ近くの病院に運んで検査したところ、結果は良性腫瘍と判明して一安心です。そして麻酔の時間も含めて約2時間で手術は終了し、麻酔の影響で少しもうろうとしたロナリンが手術室から運び出されました。

自信と笑顔に満ちあふれたドクターの顔から成功はすぐ分かりました。そして子供も無事で、腫瘍のみ摘出し卵巣はそのままであったと伝えられ、本当に嬉しく思いました。重いノウ種が卵巣を少しねじった状態にしていたので、痛みを生じていたそうです。

そしてがんばってくれたロナリンとベイビーに、ありがとうの気持ちで一杯になりました。(つづく)

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