(by take)手術のその後

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(by take) 手術当日は、ロナリンにとっても僕にとっても長い一日でした。

出来れば手術室に付き添いたいとの思いがあったのですが、もちろん一般人が手術室に入ることは出来ませんでした。ならば結婚指輪を僕が付きそう代わりに彼女にして欲しいと思っていましたが、彼女の指輪も外してくださいと言われ、反対に僕が彼女の指輪をして、手術の成功を祈ることになったのです。

そして手術室から出てきた彼女の手には、表紙にキリストの絵が描かれた薄い聖書がテープで貼り付けてありました。もちろんお医者さんがテープで貼り付けてくれたのです。結婚指輪すら外したのに、そんな物を手術室に持ち込むことが出来たのですね。二人で手術の成功を祈りに教会へ行ったときに、購入したものでした。おそらく手術中ずっとお祈りをしたのでしょう。
改めでフィリピン人のキリストへの信仰心の強さを感じた出来事でした。

病室に戻ってからのロナリンは、うたた寝をしては少し起きて、又、うとうと寝る感じでした。そして初日の夜に彼女を悩ましたのは,「痛み」より「かゆみ」だったのです。トイレに行けないので尿管にチューブを入れていましたから、ベッドが汚れないように「おねしょシート」を敷いていました。でも、どうしても少しは漏れて濡れてしまいます。それが蒸れてとても痒くなるようでした。手には点滴が取り付けてあるので、自由に使えず「痒くて死にそう!お願い掻いて」と一晩中哀願される事になりました。そして二人で話したのが「麻衣ちゃんのパンパースもすぐ代えてあげないと、こんなに不快なのだね。蒸れてすごく熱くなっているよ。」でした。日常にない体験をすることは、色々なことへの気づきになると思いました。

ロナリンが入院した私立病院は看護学校の生徒が研修で患者の体温の測定や、点滴の調整などの雑用を日常的に行います。(多くの市立病院で実施されています。)でもその頻度はすごくて1時間に2?3回、3人ぐらいでやって来ます。そんなに何度も来ると安静にならないぐらいです。でも反対に病状の変化があれば伝えやすいというのも事実ですね。ただ患者の病状などは知らないようで、入れ替わり来る看護学生が「何の病気で入院しているのですか?」と聞いてくるのです。雑用のみとは言え、そう言った患者の基本情報を知らずに、検診にまわるのはどうなのか?と思いました。

又、これも余談になりますが、手術当日、翌日とも普通食がしっかり3食運ばれました。もちろん絶食期間中です。2日後に医者から食事の許可が下りてからは、ようやくお粥になったのですが、ここも連絡が悪いですね。でもこの2日は手伝いに来ていたロナリンの兄弟がラッキーと言った表情で、美味しそうに全部食べてくれました。

手術2日後の朝には、執刀してくれたファミリードクターが再度検診に来てくれて、傷口のチェックと消毒をしてくれました。そしておもむろに「もう退院しますか?」と聞いてきました。まだ殆ど歩くことも出来ない状態なのでびっくりして聞き返すと、ドクターは「病院は色々な病気の患者が入院しているので、たとえ個室であっても“院内感染”する危険性がありますから、私たちは最低限の病状の回復が見られると退院を勧めるのです。」と言われました。でも、もし自宅で切迫流産の兆候でも出た場合に、対処が遅れる方がもっと怖いと感じたのでもう少し入院したいと申し出たら、「では明後日3日(手術5日後)にしましょう。」と先に退院の日程が決まりました。これもやっぱり凄いですね。

さて、手術後は比較的落ち着いていて、傷口はずきずきと痛むものの、大きな問題もなく退院出来ることになりました。費用は見積もりを上回って、73,200ペソ(約190,320円)でした。手術は2名の医師が担当しましたが、執刀のファミリードクターへの費用が25,000ペソ、麻酔、その他を担当するドクターへの費用が12,500ペソでした。病院への支払いは、病室が5泊で7,500ペソ、手術室使用料が10,000ペソ、その他薬や検査料など18,200ペソがその内訳になります。すっかり貧乏になってしまいました。トホホ

そして、その夜に日本の両親へ退院の報告の電話を入れた時に、ようやくロナリンの妊娠を伝えることが出来ました。手術前は余計な心配をかけたくなかったので、言い出せなかったのですが、無事退院が出来たので心おきなく報告できました。両親も僕が一人っ子だったので、麻衣に兄弟が出来る事を本当に喜んでもらえました。

4月に生まれてくる子供は、多くの人の助けがあったから生まれることが出来るのだと感じています。そう言った人の気持ちに報いる為にも、今まで以上にロナリンと麻衣を大切にして、残りの妊娠期間中もお腹の中ですくすくと成長できる環境を作っていかなければと改めて感じました。この数日は妊娠中なのに薬を飲み、開腹手術までしてお腹の子供に影響が出ないか心配ですが、いつもロナリンが幸せと安心を感じてくれたら、お腹の子供もハッピーで苦難を乗り越えてくれると思います。そして苦難が多ければ、乗り越えて生まれた時の感銘も大きい物になるでしょう。人のやさしさを感じ取れる子供になって欲しいと思います。そしてちゃんと受けた「やさしさ」に対して恩返しが出来る子供に育てていかなければと思います。(by take)

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コメント(2)

まとめて記事がアップされていたのでびっくり。
大変だったね。でもみんなそれぞれ落ち着きそうで、一安心です。
健康を害すると、元気が一番と実感しますよね。でも周囲が支え合ったいるようすが伝わってきて、日本ではすっかりなくなったなあ、と、改めて感じます。どちらがいいのか、本当のところ、よくわからないけれど。

久しぶりに開いてみたら、大変なことになっていたのでびっくりしました。でもなんとか落ち着いたようで何よりです。1つ1つは良く聞く話だけど、それが同時に起こるとはね。フィリピンにいて大変だと思うけど、フィリピンだからここまでできるみたいなこともあるよね。
次は良い知らせ(情報)を期待しています。

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