(by Toshi) エレベータ事故、自分が経営者なら..

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(by Toshi) エレベータで痛ましい事故がありましたが、これに際してのエレベータ製造会社のコミュニケーションはかなり反感を買っていそうです。たとえば先日、新聞には「エレベータ産業での事故は主に不適切な管理か利用者の危険な乗り方に起因していることが多いとする声明を出した」とありました。うーん、最悪という感じ。

トラブルでのコミュニケーションは難しい。特に「自分たちは悪くない」と信じている場合は伝え方が難しいと思います。そこで、自分だったらどうするかを考えてみました。

まず広報でコミュニケーションをとる以前にやるべきは、自社のエレベータユーザーの安全確保です。事故原因の究明はもちろんですが、その前でも仮説を立て、自社の技術者を派遣するなどしつつ、管理会社と協力して点検をする。 相当な数があるようですが、優先順位を決めながらユーザーの不安を取り除く対応をとる必要があると。

コミュニケーションでは、他者の責任だとするコメントは出さないし、出すべきではないと思います。自社に責任はないとの声明ですらこの段階では出さない。本当に責任がなくても、こういうことを言うほど、責任逃れをしているとか、ユーザーの安全を考えていないとか見られるだけです。そして、管理会社、ユーザー、当局など、みんなの反感を買ってしまいます。

誰に責任があったのかは捜査が進めばわかること。その間、中傷されたり、ビジネスを失う時期はあるでしょうが、それには耐えて安全確保のために必要なことをやっていれば、必ずそれは後で評価されると思います。特に、これからも取引を続けたい人たちに。

ということでコミュニケーションとしてはたとえば、

「当社は品質管理について厳格な体制をとって利用者の皆様の安全確保に努めてきました。しかし、今回のようないたましい事故が当社製品の使用時に起きてしまったことについては深く遺憾に思います。亡くなられた方およびご家族にお悔やみを申し上げます。

事故の原因究明については捜査の結果を待たねばなりませんが、捜査に対しては全面的な協力を行います。また、今回の事故を受けて、全国の当社製エレベータについて、管理会社と協力して点検を行うとともに、このようないたましい事故を二度と起こさないための策を早急に考えていきます」

とします。 こういうことを言うと「責任を認めてしまったら訴訟などで不利になる」と言う人がいるかもしれません。しかし、上の文では、自分たちに責任があると言っているわけではありません。ここで伝えたいと考えているのは、「誰の責任であれ、このような事故が起きてはならないと考えている。それを防ぐためにうちができることをやる」という決意です。

繰り返しになりますが、それでも罵倒したり、うちの責任だと決め付ける人たちはいるでしょう。コストもかかりますし、管理会社との厳しいやりとりが必要になったり、保守エンジニアをはじめとして社員に大きな負荷がかかると思います。

それでも、自社の理念に「第一は安全で快適な..」というようなことがあるとすれば、これらのコストをかけても一番に安全のために動くべき時だと思います。そのためにがんばるのだ、と経営者が断言すれば、客からどなられたりいやみを言われても、社員はがんばれるはず。本気で仕事をしたいと思っている社員には、「うちが本気で理念を守る会社だとわかった」と共感を得られはず。これはものすごく貴重なことです。

また、いずれ捜査の結果でうちは悪くなかったと明らかになれば、それでもユーザーの安全のためにすぐさま動いたことを評価する声が出てくるはずです。それはうちのイメージを高めるものとして、とても意味を持ってきます。

どう思いますか?

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コメント(5)

Toshiさん
はじめまして。浅野と申します。
塩手さんとのご縁で、いつも「知恵市場」を読ませてもらっています。

>「責任を認めてしまったら訴訟などで不利になる」

という「常識(?)」について、交通事故のケースを対象として行われた興味ある調査結果があります(すでにご存知かもしれませんが)。
私のブログで書きましたので紹介します。
http://taiwa.cocolog-nifty.com/

再度、浅野です。

先ほどは、自分のブログを紹介することに気持ちが集中してしまい、肝心なことを書くのを忘れてしまいました。

Toshiさんがおっしゃることに、わたしも大賛成です。

誰に責任があるにせよ、お客様に対する「誠意」が感じられるかどうかが、一番のポイントになると思います。
「現時点では、ここまでしか分かりませんが……」ということを、「誠意」を持って伝えることが大事だと思います。
事故等の関係者から発表されるコメントの「内容」はもちろんのこと、その発表の「仕方」の方に、意外と、我々利用者の関心は向いているのではないでしょうか。
リスク・マネジメントとかクライシス・コミュニケーションという概念がありますが、エレベータ事故の関係者には、いま、まさにそれが問われていると思います。

浅野さん、こんにちは?。コメントありがとう。

調査結果、いいですね。確かに「相手が怒って結局高くついた」というのは大いにありそう。逆に「誠意を見せたらよい結果になった」というのもいろいろなところで見ています。それって言葉だけじゃなく、行動を伴っていることも重要ですね。ビジネスとしても長期的にはその方がうまく行くんじゃないかなと思います。

toshiさん、こんにちは。
KEN高橋です。

以前KODOで類似ケースをやったのを思い出しました。そして今回自分も同じことを考えていました。このケースで企業側としての最重要ポイントは「共感を得ること」ですね。そのためにやることは最低3つ。被害者に対するお悔やみ、起きてしまったことに対する原因究明、そして今後の対策です。

うーん懐かしい。

KENさん、久しぶり?。確かにありましたねえ。

そう、共感を得る。でも、それを目的に置くんだと気がつくことが、パニックの状況では難しい。それができるとすごい。

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