(by 塩手勝久)?変革[3]?環境マネジメントという仕事

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 ちょっと間隔があきましたが、今回は「環境マネジメント」という仕事について整理します。

 環境マネジメントといえば、当時(今もかもしれませんが)ISO14001という認証制度が頭にありました。しかし、入社前の社長面談時に「うちはISO14001の認証取得するつもりはないよ。認証取得のメリットが明確なら別だけどそれが不明瞭な段階で費用に見合うと思っていないから。うちにとって大事なことは、実質的な環境負荷を下げてリスクマネジメントになること。それを進めて欲しいんだ。」ということを言われていたのです。

 考えてみれば、ISO14001も環境マネジメントという仕組みを推進する手段にすぎません。大事な点は、環境負荷を減らすことという目的において認証取得の有無は関係ないということです。そう頭で理解してはみたものの、実際にプランニングを立てる段階で、認証取得をせずに活動を継続する仕組みを作ることは相当に難しいのではないかと悩みはじめました。

 認証取得という目標があれば、プロジェクトの目標と期限を明確にすることができます。しかし、認証取得なしに環境負荷を下げる仕組みを構築する場合は「目標と期限」の設定が非常に難しかったのです。入社当時には、環境活動をするという文化はなく、なんとなく「めざせエコリゾート」というものが一部のスタッフの中にあったぐらいで、ゴミ置き場を見ればカラスが荒らしてゴミが散乱しており目を覆いたくなる状況でした。そんな中で社長から課せられた使命は「業界No.1の環境先進企業との認知獲得を達成して欲しい」でした。

 ともかく入社して現場を歩いて回るうちに現状も分かってきたので、業界No.1という目標を達成するために「何をやるか」を考えることにしました。とはいっても環境マネジメントは素人なのですから、「専門家への相談」と「環境先進企業から学ぶ」の2つを開始することしました。


■環境マネジメントという仕事とは

 その前にまず自分のやろうとしている「環境マネジメント」という仕事はいったいどんな仕事で、何を学べばよいのかを明確にすることにしました。最初に頭に浮かんだのは荒れ果てたゴミ置き場でした。自分のすべきことはこのゴミに無感覚な日常を、ゴミは資源・ムダに出してはいけないという意識を常に持つ日常へ変えることだと思いました。やることは「意識変革(社内文化を変える)」というテーマが明確になりました。

 ●私の中で「環境マネジメント」=「環境マインドへの意識変革」になった瞬間です
 
 このことを社長に相談すると、「焦ってはいけないよ、5年から7年ぐらいかかると思っていた方がいい。コスト意識の文化を創るのにでも5年かかったんだから。文化を変えるというのはそれぐらい時間がかかる忍耐のいる作業なんだよ。うまくいかないことばかりと思って取り組んだ方がいいからね。」と的確なアドバイスをもらいました。これによって、自分のやろうとしていることの大変さを改めて実感したのです。知らない業界で、物ばかり扱ってきた自分が人を相手に文化を変える・・・ほんとうにできるんだろうか・・ 大きな不安も感じ始めました。

 大丈夫、とにかく基本に忠実に取り組もう、「あるべき姿を明確にし、現状を把握し、そのギャップを埋める手段を考えること」これを徹底して修正を繰り返していけば絶対できる!と自分に言い聞かせていました。

 あるべき姿を描くために、まず専門家に相談を開始しました。


■ISO14001認証取得コンサルタントへの相談

 専門家へ相談といっても、「環境マインドへの意識変革」などという専門家はいませんでした。ともかく、ISO14001認証取得コンサルタントは多くいたので、数社に相談をもちかけることにしました。

 相談し始めてだんだんと分かってきたのですが、彼らは私の欲しいノウハウを持っていないということでした。「環境マインドへの変革ノウハウ」を持っているか知りたかったのですが、持っていないことが分かってきました。何社かと話したのですが、彼らの主張は「私たちはISO14001認証取得のお手伝いが仕事であり、その目標達成のための支援ノウハウは多数持っています。しかし、社内の環境マインドが変わるかどうかはその企業さま次第で、我々の仕事ではないのです。」というものでした。

 ここではっきりしたのは、「ISO14001認証取得と環境マインドへの変革」は「関係ありそうで関係ない」ということでした。ISO14001の認証取得をすれば、意識変革ができるかと言えばそうではないと分かったことが収穫でした。当時、ISO14001認証取得企業が、土壌汚染等の事故を起こしていた事実からもなんでそういうことが起こっているのかが理解できたのです。

 逆に言えば、ISO14001のような認証取得は目標と期限を設定して達成しやすい反面、変革活動としての次の課題設定をしていかないと続かないし、環境マネジメントシステム構築という手段が目的化してしまうことも多いということなのです。

 とすると、次に考えていた「環境先進企業から学ぶ」際には、ISO14001のような第三者認証取得に関係なく、実質的な活動で「環境先進的な活動をしているかどうか」で対象を探すことにしました。
 
 次回は、「環境先進企業から学ぶ」に続きます。

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  塩手勝久  (株)星野リゾート
    環境マネジメント担当
   zero@hoshinoresort.com
 「星野リゾートの環境への取組み
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